コロナ禍を乗り切るための意外なリーダーシップ手法

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リーダーシップは、特に危機下では重要だ。あなたは、リーダーとしてどのように力を発揮できるだろうか?

ベストセラー作家のサミュエル・ジョセフは「難しい時期にある今、日々困難に立ち向かい、高みへと飛翔するのは途方もない作業にも思える」と語る。ジョセフは世界でもトップクラスのボイストレーナーだ。

「私は、日々をただ切り抜けようとは言わない」とジョセフ。「私は職業として、再生と復活のシンボルである伝説の不死鳥のように飛翔する方法を指導している。飛翔するためには、歌うことほど良い方法はない」

シャワーを浴びている最中や運転中でも、歌うことで声のパワーを強化できる。「声を通じて世界を変えること」をミッションとするジョセフは、過去50年にわたり世界各国で声を出すことによるリーダーシップを説いてきた。クライアントには、セレブやビジネスリーダーら有名人が名を連ねる。

「この旅は、いまだかつて誰も経験したことがないものだ」とジョセフは言う。「私たちは毎日や毎週のように、世界の思想的リーダーが心を込めて発信する教えを耳にしている。私も、呼吸のパワーについて繰り返し書き、自らの力を強化するテクニックを教えてきた」

ジョセフの50年以上のコーチングの基礎となっているのは、音楽と哲学、心理学を学んだ経験だ。ジョセフは「ボーカル・アウェアネス」という独自の教授法を考案。多くの俳優、歌手、政治家、アナウンサー、ビジネスリーダー、多国籍企業に対し、声を通じたエンパワーメントの重要性を説いてきた。

ジョセフはTEDxトークでも、Empowerment Through Voice: Communication Mastery for Mindful Leaders(声を通じたエンパワーメント マインドフルなリーダーのためのコミュニケーション熟練)』と題した講演をしている。

大企業のリーダーであれ、独立したコンサルタントであれ、声のパワーは自分のブランド確立に役立つ。ジョセフは、歌が持つ力をあなどらないようにと語る。

「歌うことは原始的だ」とジョセフ。「乳幼児はしばしば、授乳中に鼻歌を歌う。歌は“最初のアート”として知られている。古代の洞窟画を調査した考古学者らは、洞窟内でトナカイの角で作った横笛も発見してきた。私たちの祖先は、何とか生きながらえている段階だったにもかかわらず、音楽や歌を儀式に取り入れる内在的欲求があった。ある時、私が息子に子守唄を歌っていた最中に自分が眠り込んでしまい、ふと気づくと息子が私の額をなでながら歌っていたということがあった」
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編集=遠藤宗生

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