リンクトインのロザンナ・ドゥルーシー副社長(多様性・インクルージョン・帰属意識担当)も同じ考えを持っている。ドゥルーシーは電子メールでの取材に対し、「今は文化とコミュニティーが私たちの救いとなっている」と指摘。「世界が前代未聞の課題に立ち向かっているが、リーダーである私たちは、コミュニティー全体のつながりやエンゲージメントを強化するまたとない機会に恵まれている」と述べた。
ドゥルーシーが言うように、ポジティブな職場文化は、企業にとって戦略上の強みとなり、従業員のインスピレーションやモチベーションを高めて最高のパフォーマンスを引き出すと同時に、困難な時期にあってもひとつのチームとして働くことにつながる。「リンクトインではこれを特に重要視している。従業員は私たちの最大の資産だからだ」とドゥルーシーは言う。
今まで経験したことがない変化の時代に力強い企業文化を維持することは、イノベーションと創造、適応をする上でかつてなく重要で必要なものとなっている。幸運にも、テクノロジーを通じて在宅勤務ができる環境にある人にとって、つながりとエンゲージメントを保つ方法はたくさんある。
「こうした時代には、共感のリーダーシップと自らの弱さを認めることが最も強力な方法だ」とドゥルーシーは説明した。「従業員は、痛みや悲しみ、不安を感じているのは自分だけではないことを知りたいものだ。特に今のような状況下では、リーダーが弱さをさらけ出すことが絶大な効果を生む」
従業員がリーダーに対して求めるのは、思いやりを持ち、職場での変化について透明性を持ち、自分たちの安全を守るための指針を示すことだ。リーダーとして、従業員の健康に配慮することは必要不可欠だ。通常通りの仕事に戻る前に、時間を割いて、従業員が自分はサポートを受けられていると感じられているかを定期的に確かめよう。現在のバーチャル環境におけるリーダーと従業員とのやり取りの一つ一つが、単なる事務的なものではなく、有意義なものだと感じられることが重要だ。
「仕事のチームによって形成されたコミュニティーは多くの場合、仲間同士の重要なサポートシステムを生み出せる。チームマネジャーが率先して手本となった場合は特にそうだ」とドゥルーシーは言う。