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5月4日、緊急事態宣言が5月末まで延長されることが発表された。13の特定警戒都道府県では、公立の小中高校は5月末までの休校が決まった。

もちろん、宿題を出したり、NHKの学習プログラムを利用したり、自習は促しているものの、オンライン授業を行っているところは皆無だ。

東京都渋谷区では小中学生に1人1台のタブレットを配布して補習を行っているが、正式の授業ではない。 熊本市も、タブレットを配布して補習を行っている。 北海道教育大学附属釧路中学校では本格的な会議システムを使った双方向の授業が始まったが、これは例外中の例外だ。

つまり、5月末までの休校を決めた29都道府県の生徒はすでに2カ月間の授業を受ける機会を失っている。とくに来年1月以降の受験を控えた小学校6年生、中学校3年生、高校3年生は、影響が大きい。

なぜ、4月から、すぐにオンライン授業に移行できなかったのか。それは、パソコンやタブレットを1人1台保有しておらず、また、家庭や学校ですら、Wi-Fi環境が十分に整っていないところがあるからである。完全なICT(情報通信技術)後進国である。ちなみに、政府の方針では、2023年度までに、1人1台の端末を実現することになっていた。3年遅かった。

貧富の格差の大きいニューヨークでも、3月に公立小中高校の休校が決まったが、1週間の準備期間を経て、すぐに全面オンラインで授業が再開された。全米の大学も数日の準備で、全面オンラインで授業が再開された。

6月以降、授業が再開できても来年3月(受験生にとっては12月)までに例年通りの授業日数をこなすには、夏休みは返上、土曜日に授業をしたうえ、学校行事のキャンセルなどの日程変更が必要となる。そのような詰め込み日程では、きちんと学習内容を吸収できない生徒が増えるだろう。

また、インターネット経由の授業ができている私立学校と公立学校との格差が拡大する。公立校でも都道府県格差が生じている。さらに、塾などの各種のサポートがある東京と地方の格差もある。とくに、受験生は不安だろう。

文=伊藤隆敏

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