せっかちな私がミュシャの塗り絵で「今」に向き合ってみた#ポジティブチャレンジ

Forbes JAPAN #ポジティブチャレンジ (サムネイルデザイン=高田尚弥)


「スローライフ=田舎暮らし」ではない


このような過剰にスピードを求める社会に疑問を投げかける人々により、以前からスローライフという言葉が使われるようになりました。みなさんも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。このスローライフですが、その意味を「自然豊かな田舎で過ごし、自給自足の生活をする暮らし」というように勘違いされていることが多々あります。

スローライフとは、生活に緩急をつけて過ごすことや丁寧な暮らしをすることを意味します。また、この言葉は和製英語なので海外では通じないこともあるかもしれません。オノレイ氏もスピーチの中で、都市のスロー化や労働時間の短縮などをあげて「世界的なスロー運動」が進んでいると言います。教育の現場でも「スロー化」が求められているでしょう。友達や家族を過ごす時間を奪うような大量の宿題は、子どもたちにとってよくない影響を与えるという考え方が提唱されてから何年も経ちますが、今でも日本の小学生や中学生は夜遅くまで塾に通っています。

忙しい毎日の合間に少しでもゆったりと心を落ち着ける時間を持つこと。何事もせかせかとこなすのではなく、休日だけでも丁寧に食事や自分の体と向き合うこと。これらのスローライフを実践することで、小さいことに喜びを感じられるようになったり、逆に仕事のクオリティを高める効果が期待されます。

スローライフの方法は、人それぞれです。一般的には、体を伸ばしてリラックスさせるヨガや、または趣味として茶道や書道を習うこともあるでしょう。それほどの時間やお金を割かなくても、私は起床後や就寝前の5分間の瞑想や天気の良い日の散歩でもリラックスして気持ちを整えることができています。最も大事なのは、何をするかではなく、一呼吸置いて肩の力を抜くことだと思います。

体験談:スローライフを実践 大人の塗り絵をやってみた


塗り絵、ミュシャ

自分自身と「向き合う」時間をつくるスローライフの考え方を紹介しましたが、スローライフを実践する方法として「大人の塗り絵」に挑戦してみた体験をレポートしたいと思います。

最近、元フィギュアスケーターの浅田真央さんがインスタでシェアしたことでも話題となっている「大人の塗り絵」。絵心は全く持ち合わせていない私ですが、小学校以来しまいこんでいた色鉛筆を引っ張り出して塗り絵と、そして自分と向き合う時間を作ってみました。

まずは絵を選ぶところから


大人の塗り絵と言えど、子どもの時とやることは同じです。ただ、デザインが凝っていたり細かく塗るところがあったりと大人でも没頭できる塗り絵になっています。今回は、先月まで日本を巡回した展示会でも話題となっていたアルフォンス・ミュシャの絵画を用いた塗り絵に挑戦しました。

現在、ミュシャ財団の公式サイト「Colour your own Mucha」では6作品が塗り絵として無料ダウンロードできるようになっています。また、同財団のサイト上の「GALLERY」では、300点以上のミュシャの作品を見ることができ、絵を楽しみつつこれらを参考にしながら塗り絵を進めることができます。

ミュシャ、塗り絵、大人
今回は「Calendar design」(左)と「Friendship」(右)の2作品をチョイス(ミュシャ財団)

ちなみに、左の「Calendar design」という作品に描かれている女性がもつ巻紙は白紙となっているため、中に自由に言葉や数字を書きこめるようになっています。右の「Friendship」という作品は、1904年に描かれた作品なんだとか。
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文=田中舞子

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