いずれのフェーズにおいても、オフラインの場を活用したものなど、既存のマーケティングは難しくなるだろう。ウィズ・コロナ、アフター・コロナの時代におけるマーケティングを考えてみることとする。
既存のマーケティングは広告中心だった
まず、日本企業がこれまでどういったマーケティングを展開していたかを考えてみよう。BtoB、BtoCを問わず、第一に紙やデジタルといった広告による認知獲得を試みていたはずだ。そこから問い合わせや購買行動につなげたり、オフラインのイベント(相談会)参加につなげたりしていた。
また、BtoBや、BtoCでも高額商品の場合は、営業(フィールドセールス)担当者が対面でセールストークを展開することもあった。テレアポや、紙とEメールによるDM(ダイレクトメール)も、多くの企業で取り組んでいたものだ。
しかし、新型コロナの感染拡大に伴い、環境と顧客のマインドは一変した。今後、これまでと同じやり方での関係構築や販売は難しい。
これまでのマーケティングが否定される世界
これから世界経済が急速に悪化していくことが予想されており、企業や消費者の財布のひもは固くなるだろう。広告を見て年度末の予算消化での発注を決める。SNS広告を見て衝動的に雑貨を購入する。こうした行動は減っていくはずだ。
オフラインのイベントは、そもそも開催が難しい。リモートワーク(テレワーク)が進むことで、企業の担当者に電話でアプローチすることも困難だ。紙のDMは郵便受けから直接ゴミ箱行き。EメールのDMも自動的に迷惑メールフォルダに収納される(これらDMについては新型コロナの前からそうだったが)。
これらの手法に依存してきた企業にとっては、厳しい時代が訪れる。
では、企業はウィズ・コロナ、アフター・コロナの時代にどのようにマーケティングに取り組めばよいのだろうか。
デジタル中心の戦略立案
オフラインや対面での施策が難しいとなれば、当然デジタルマーケティング中心の戦略へと舵を切る必要がある。SNSやWeb、アプリ。人々の行動も変容する。外部環境やマインドが変化しているのだから、ペルソナ(具体的なターゲットの人物像)やカスタマージャーニーマップ(ペルソナが顧客へと成長するまでを描く戦略図)は、完全に一から作り直さねばならない。既存の戦略をそのまま使っているようでは、顧客の心は離れてしまうであろう。