オンラインで発信し続けるべき、良質なコンテンツとは?
営業担当者の努力や人づてで仕事を獲得できていた企業は、日本において非常に多いであろう。しかし、これからは期待できない。今後は適切なコンテンツを、適切なタイミングで、適切な人に届ける必要がある。
ここで言うコンテンツとは、記事コンテンツに限らない。形態は動画かもしれないしインフォグラフィックかもしれないしチャットボットかもしれない。内容も、商品の使い方やお客様の声、専門家へのインタビューと様々なものが考えられる。一つだけ言えることは、すべてペルソナ次第だということだ。正解はなく、あなたの顧客が求めているコンテンツのみを出す必要がある。
ビジネス上の課題をGoogleで検索すると、解決策となるようなコンテンツが並ぶ。しかし、内容はどれも似たものばかりだ。これからの良質なコンテンツとは、「体温」の伝わるコンテンツだと考える。
従業員個人のブランディングが重要
オンラインの施策が中心となれば、顧客や消費者は何を基準に商品・サービスを選ぶべきか分からなくなる。結果、オンライン上での「信頼」がものをいう。安心したいという心理が働けば、名の知れた大企業、もしくは名の知れた人物から商品・サービスを購入しようとするのは当然だ。したがって、大企業を除いては、従業員一人一人のブランディングが重要となっていく。
SNSやブログ、(すでに飽和状態だが)ウェビナー(=Webセミナー)において、個人名でコンテンツを発信することで、個人ブランディングを進める。そして個人として信頼を獲得した時、ようやく商品ページに誘導したり、商談に入ったりすることができるだろう。
メールの有効活用
新型コロナの感染拡大によってオフライン施策を禁じられた企業は、早速オンラインでの情報発信の比重を高めている。SNSやウェビナー、記事コンテンツなど、様々なコンテンツを日々目にするようになった。他方、ニュースサイトやSNSでは、新型コロナ関連の情報が次々と飛び込んでくる。
もう疲れた──。宣伝文句と新型コロナの情報の洪水によって、こうした感情を抱いているのは、筆者だけではないはずだ(まさにカオスだ)。
そんな中、筆者が唯一落ち着ける場が、メールボックスである。営業メールは自動的に迷惑メールフォルダに振り分けられるので、そこで目にするのは仕事関係のメールか、自ら登録した有料・無料のメールマガジンだ。この「自ら登録した」という部分が重要で、英語では「サブスクライブ(subscribe)」といい、自ら登録した人のことを「サブスクライバー(subscriber)」と呼ぶ。
ライフスタイル系やマーケティング関連のメルマガを筆者は登録しているが、クリックすればノイズがない状態となり、読書と似た感覚になる。これこそまさに1to1コミュニケーションだ。有益な情報であるために「自ら個人情報を差し出した」のであって、情報の出し手との関係構築を自ら望んだともいえる。今の状況下にあって、サブスクライバーは企業にとって最も大切な見込み顧客であり、サブスクライバーにとって企業は「有益な情報をくれる人」なのだ。「最後のフロンティア」かもしれないメールの重要性は、今後増す一方であろう。
新型コロナはマーケティングの世界も一気に変えた。とはいえ、マーケティングの基本は顧客のニーズを考え抜くことに変わりはない。ニーズをとらえたうえで、適切な施策に投資する。ウィズ・コロナ、アフター・コロナの時代においても、我々のやることはシンプルなのだ。