コラボ体験とは、会話に“参加すること”に焦点を当てたものではなく、会話を“創造・促進したりするもの”です。たとえば、特定のグループにのみ、これから公開される映画予告編を公開したり、レコーディングアーティストがプラットフォーム上で試聴会を開催したりする施策が挙げられます。
コンテンツ出稿主からすれば、他のサービスとは違い膨大な量のインプレッションを稼ぐことはできませんが、ターゲット属性グループに刺さるコンテンツをピンポイントで提供できるようになります。ユーザーからすれば、話題が自然な形で提供されるため、他のユーザーと一緒に楽しめる独特の体験を得られます。
Housepartyは外部サービスとの連携を高め、ユーザー同士が一緒に楽しめるゲームやミニアプリを提供するエクステンション機能拡大へと走れます。他方、先述したGAFA系列の競合サービスは、自社傘下サービスとの連携に閉じてしまい、広がりを見せられない可能性があります。ゆえに、多種多様なコラボ体験を提供できる常時接続世代向け動画コミュニケーションプラットフォームとしての市場を獲得できているのだと考えています。
ここまで4つの成長理由を説明してきました。
誰かと繋がっていたい人間本来の欲求は、「とりあえず動画を流しておきながら繋がっている」というように、若者ユーザー行動を変えつつあります。そして、収益モデルも広告から体験重視へと変更する必要が出てきました。
これからの新規サービス設計をされる方は、Housepartyの成長・開発戦略が大いに役立つと感じます。ユーザーコミュニケーションは大きな節目を迎えているかもしれません。
本稿は次世代コンピューティング時代のコミュニケーションデザイン・カンパニー「.HUMANS」代表取締役、福家 隆氏が手掛ける「 THE .HUMANS MAGAZINE」からの要約転載。Twitterアカウントは@takashifuke。同氏はBRIDGEにて長年コラムニストとして活動し、2020年に.HUMANS社を創業した。