ビジネス

2020.04.14 18:30

2年の時を経て急浮上。友達とのおしゃべりアプリ「Houseparty」、急成長の要因


ただ、これからは隙間時間の概念はなくなり、ながら世代の考えも一歩進むと考えます。起きている間はインターネットに繋がり、常にオンライン接続されているユーザー環境を指す「常時接続」の考えが優位になってくると考えます。これを指して「ながら世代2.0」と呼びます。

常時接続であるため、あらゆるタスクを「ながら」でこなします。家事をしながら、買い物をしながら、勉強しながらなど、ほとんどのシチュエーションで常にネット接続して、何かあれば即座にオンラインサービスを利用する環境下にあるのが「ながら世代2.0」です。この世代は1996年~2012年に生まれた24歳以下のジュネレーションZに多い印象です。事実、Housepartyユーザーの60%がZ世代であったというデータがあります。

事例を挙げます。知り合いから聞いた話ですが、年頃のお子さんはとりあえず友達とLINE動画をつけっぱにしているそうです。話題は必要ありません、とりあえずつけっぱにしておくのです。無音の時間も気にしないそうです。かく言う私も(ミレニアム世代ですが)、AirPodsを耳に着けながら、最近は朝起きてから夕方寝るまで、声だけでやり取りできるライブ配信アプリ「Dabel」に常時接続しています。リスナーとして参加していますが、配信に参加するように招待が来たら即座にスピーカーになっておしゃべりします。

常時接続を加速させた背景に、スマホ画面から離れられる環境が整った点が挙げられます。AirPodsやSmart Home端末の台頭により、常にインターネットコンテンツへアクセスできる特権を「ながら世代2.0」は得ました。スマホ画面を観ることなく、音声だけでコミュニケーションを取れる環境が整ったことが大きく世代躍進させている理由の1つであると考えます。

これからの時代の「ながら」を成立させるには、画面を見ないことが条件となるでしょう。Housepartyユーザーの中に、カメラを天井に向けて声だけでやり取りする人が一定数いると聞き、まさに音声環境による世代促進を裏付けていると感じます。

これからは広告ではなく、「コラボ体験」


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Photo by Buro Millennial on Pexels.com

海外ではFacebook Messenger、Whats App、Instagramのような友人間で動画コミュニケーションを取れる大手サービスは多数あります。「ながら世代2.0」が他のサービスを選んでも不思議ではありません。それでもなぜHousepartyが選ばれるのか。それは広告ではなく、「コラボ体験」を重視しているからです。

Housepartyは友人間コミュニケーションを好む層を獲得しています。このユーザー層にとって最も大切となるのが「ネタ」です。とりあえず誰かと繋がることが習慣になっており、無言の時間が怖くないとしても、友人と一緒に楽しめるネタがあるとより盛り上がります。
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