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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界的な流行を見せるなか、経済への痛手は日々深刻さを増している。

では、このまま経済は停滞していくのかというと、必ずしもそうではない。この感染拡大をきっかけに、ビジネスチャンスをものにしようとする企業が、感染源である中国でも出現してきている。そんなビジネスの最前線について語るオンラインイベント「コロナウィルス騒動の影におきる次の革新─善意x商魂x義侠心」がZOOMを介して行われた。

登壇者は、中国のIT業界の最前線で働く3名。『モチベーション革命』などの著者である尾原和啓氏、『TikTok 最強のSNSは中国から生まれる』の著者である黄未来氏。さらに『アフターデジタル ─オフラインのない世界に生き残る─』の著者であり、上海に勤務する藤井保文氏だ。

混迷を極める世界経済のなかで、突破口はどこにあるのか。そして治療の現場は──。素朴な疑問からビジネスの最前線まで、各人の意見が語られた。

対抗薬の開発にみる「オープンイノベーション」の進化


冒頭に語られたのは、新型コロナウイルス感染症への治療薬、ワクチンの開発について。自らを「論文マニア」と呼ぶ尾原和啓氏は、治療薬開発に向けて新たに発表される論文をチェックするなかで見えたある変化を語る。

尾原和啓(以下、尾原):近ごろ、論文や治療薬開発のニュースをチェックするなかで感じるのは、オープンイノベーションの進化です。本来、こうした感染症の治療薬は非常に儲かるため、利益を独占しようとクローズドな開発になりがち。しかし、今回はパンデミックになったことも踏まえ、特許や収入を求めない旨の声明がさまざまな研究機関から出ました。

結果、コロナウイルス関連の論文は1日100本ペースで発表されており、すでに3000本超。SARSでは5カ月かかった遺伝子解析も、コロナウイルスでは1カ月で終了し、現在は実用化に向けてテストするフェーズに入っています。グローバルな規模において、これほどのスピード感でオープンイノベーションが起こっているのは素晴らしいな、と思います。

黄未来(以下、黄):こうしたスピード感を実現している背景には、AIの存在も関係しているのでしょうか?

尾原:今回の治療薬開発において、AIの活用方法は主に2種類あります。1つは遺伝子配列の特定。もう1つは、対抗薬の特定です。これまで、遺伝子配列を特定しても、どの薬が効くのかを特定するまで、数多くの組み合わせを検証しなければなりませんでした。しかし、AIを活用することで、組み合わせの特定が効率的に行われるようになったんですね。

構成=半蔵門太郎

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