ビジネス

2020.03.22

出社する≠仕事をしている。認識が変わる今こそ知る先見事例

世界のリモートワークは進化し続けている


オフィスがない代わりにスタッフに「お小遣い」を提供


オフィスの家賃が浮いた分をスタッフに対して毎月の$250の「お小遣い」として与えてる。その使い方は自由で、カフェのコーヒー代にしたり、コワーキングスペースに使ったりできる。シアトル在住のスタッフは、近くにいるスタッフと一緒に集めたお小遣いで、船着場をオフィスとして借りていたこともあったという。

また、新入社員にはホームオフィスをセットアップするための助成金も与えている。そのお金で自由に家具やパソコンなどのデバイスを購入してもらう。

全てドキュメント化する

オフィスでのやり取りと違い、リモートチームは基本的にオンラインでのコミュニケーションとなるため、それに参加していなかった人にも後で見れるように、やりとりの内容をドキュメントにまとめておく。もしくは、やりとりの様子を動画にして残しておく。

雑談チャンネルを設ける

リモートチームの一番の弱点は、仕事に関係のない雑談がしにくい点。これがオフィスだと、キッチンや共有スペースなどで、カジュアルな話ができるが、チャットなどのやり取りだと、どうしても仕事の内容に終始しがち。そのために、カジュアルなやりとりのできるチャンネルを設け、そこで週末の活動や、趣味の話ができるようにしている。

テキストスタンドアップ

通常のオフィスだと、毎朝チームが集まり、その日のやることなどを軽く話し合う”スタンドアップ”と呼ばれるミーティングが行われる。それをチャットでも前日やったことや、今日やることを軽く説明する、テキストスタンドアップ方式をとっている。

内向的なスタッフを安心させる

リモートでやりとりする際には、どうしても疑心暗鬼になりがちで、特に内向的なスタッフの人は、周りにどう見られるかを気にしすぎる。そういう人を安心させるために、上司や同僚があえてカジュアルな会話を振ってあげたりして心をほぐす。また、バディー制と呼ばれる、チーム内に友達を作り、精神的安心感を担保する方法もある。

文化の違いを理解する

複数の国から参加している場合は、それぞれの国の文化的背景から来る、やりとりのスタイルの違いを理解する。はっきりというタイプや、なるべく遠回しにする文化、ジョークが多いスタイルなど、それぞれの国による違いを理解し、許容する。

インプットよりもアウトプットを重視する

どのようなやりとりをしているか、どのようなスタイルで仕事をしているかよりも、どのような結果を出しているかという、アウトプットに注目をして評価を行う。

年に一度みんなで集まる

スタッフ全員がリモートのAutomatticは、全スタッフが、年に一度世界のどこかの街に集まる、Grand Meetupと呼ばれる合宿を行う。毎年異なる場所で1週間スタッフ全員が集まり、半分は仕事、半分は遊びを通じて交流を行う。この合宿では、なるべく会ったことのないスタッフ同士が交流できるように、食事の際の座席も考えられている。そうすることで、よりお互いの信頼感を高め、今後の仕事の効率アップにつなげている。

Automattic社のGrand Meetupの様子
↑ 年に一度全スタッフが一つの場所に集まるGrand Meetup
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文=Brandon K. Hill(CEO of btrax. inc)

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