リモートワークのメリット・デメリット
最近はリモートの利点ばかりが注目されがちであるが、もちろん弱点もある。それぞれについて今一度確認してみよう。
リモートワークの利点
・通勤時間の短縮
・出勤準備時間の短縮
・通勤コストの削減
・オフィス内の雑音が無い
・仕事とパーソナルな時間の融合が可能
・子供の送り迎えがしやすい
・タスクによっては仕事の効率が高まるケースがある
・好きな場所から仕事ができる
・勤務時間がフレキシブルになる
リモートワークの弱点
・チームメンバーとの心理的距離ができる
・電気代が上がる
・カフェ代がかかる
・情報漏洩の可能性
・上司に必要とされるマネージメントスキルが上がる
・仕事の内容によっては効率が悪い
・オンラインミーティングはで密談がしにくい (画面の外に誰かいるかも)
・仕事のあとのカジュアルな食事や飲み会に参加できない
・人事評価が完全に結果主義になりがち
リーダーシップスタイルによってもリモートに向き不向きがある
実はあまり知られていないポイントとして、会社やチームトップのスタイルによって、リモートワークに向いているか向いていないかの差が出る。リーダーシップはおそらく下記の3つのスタイルに分類される。
1. カリスマ型: 圧倒的な存在感と説得力で周りのスタッフを引きつける
2. 人間力型: スタッフへの細かな心遣いを通じてチームのパフォーマンスを上げる
3. 実行型: とにかく仕事の結果を見せることでメンバーを引っ張っていく
この中で、最もリモートでもリーダーシップがはっきしやすいのが、3のスタイル。オンラインでもオフラインでも、仕事の結果を出すことでチームがまとまる。その次が2で、対面とは異なる方法だが、各スタッフに対してのやりとりをすることで、リーダーシップが担保される。一方、1つめのカリスマ力は、その姿がリアルに見えてこないと一気に下がってしまう。
最初から完全リモートの「Automattic社」からカルチャー醸成方法を学ぶ
このリモートワークのコンセプトをいち早く取り入れていたスタートアップが、Automatticだろう。Automatticは、ブログプラットフォームのWordPressを開発している会社で、世の中のサイトの30%が利用している。
同社は15年前の創立当初から、全てをリモート社員でスタートした。当時のチームはファウンダーのMattと20人のリモートスタッフで構成されていた。
世界の99.9%の人材を失わないためのリモートワーク戦略
そのころにサンフランシスコのイベントでMattと対談した際に「採用するスタッフをオフィスに来れる人限定にしちゃうと、世界の99.9%の人材を獲得できなくなる。世界には優秀な人たちがたくさんいるのに、その人達と仕事ができないのは、あまりにももったいない」と語っていたのを覚えている。
オフィスに来ている ≠ 仕事をしている
彼によると、会社のオフィスにスーツで出社し、9時から5時まで机にへばり付きエクセルを睨んでることは、一見仕事をしているように見えるかもしれないが、必ずしも結果に繋がっていない可能性がある。オフィスに来れば仕事をしていると評価される時代は終わったと語る。
800人のスタッフは世界67か国に点在
その後Automatticは成長を続け、現在では、800人の従業員が世界67か国から仕事している。人によっては毎月旅行をしながらノマド的に働いているとのこと。場所も、時間も、文化も違うスタッフをどのようにしてまとめているのか。リモートをキーワードに、そのカルチャー部分を探ってみる。
↑ 世界各地に点在するAutomatticのスタッフたち