瞑想とルーティンが心と体をクリアに

エリック・秀幸・ホワイトウェイ(コージェントラボ代表取締役CEO)

手書き文字の認識率99.22%を達成した光学文字認識機能「Tegaki」など、最先端でありながら実用的なAIのサービス開発を行うコージェントラボ。CEOのホワイトウェイに、日常生活で大切にしていることを聞いた。


コロンビア大学でコンピューターサイエンスとオペレーションズリサーチを学び、モルガン・スタンレーMUFG証券に入社。2014年、「AIで未来を切り開く」を企業理念に、元セールスフォース・ドットコムの飯沼純と共同でコージェントラボを設立しました。現在は、手書き書類をデータ化する「Tegaki」、検索や分析のためにかかっていた時間を大幅削減する自然言語分析エンジン「Kaidoku」、さまざまな市場データを同時に処理して株価や取引量の予測を行う時系列データ予測エンジン「TSF」のサービスを提供しています。

雇われる側から経営者になっていちばん気を使っているのが、心と体の健康をキープすることです。欠かせないのは毎朝10分の瞑想。1年前に“健康オタク”の弟に瞑想アプリを勧められて始めたのですが、たった10分と侮るなかれ。集中力や生産性が格段にあがり、感情のコントロールも以前よりうまくなりました。また、経営者に必須の分析力や決断力も非常に高まった実感があります。

瞑想後はストレッチやウェイトトレーニングをし、自宅の近所をジョギングします。ジョギング中は音楽ではなく、オーディオブックでビジネス書や自己啓発書を聴くことが多いです。その後、近くのスターバックスで1時間ほどスケジュール確認やメールの返信などを行います。これらを毎日規則正しく行うこと──いわば“ルーティン”が、僕の精神の安定にも役立っているのではないかと思います。

他に気をつけているのが、食事です。いまは高脂肪&低炭水化物を摂取するケトジェニック・ダイエットに加え、インターミッテント・ファスティングを続けています。日本では「プチ断食」というそうですが、インターミッテント・ファスティングは1週間のうち1、2日を500kcalに抑えるか、12〜18時間何も食べずにいるという食事法。僕は朝を抜くことで16時間何も食べない時間をつくっています。これも1年ほど前から続けていますが、非常に頭がクリアになりますね。

個人の心と体を鍛えることと同じくらい大事なのが、社内でよいアイデアが生まれるためのクリエイティブな環境づくりでしょう。弊社は設立当初からグローバルな事業展開を構想し、さまざまな国の方々に来ていただきました。現在は約80人。20カ国以上から集めた精鋭たちです。僕は多種多様な文化、専門性が集結することで斬新な発想が生まれる、と信じています。もちろん、ダイバーシティを成立させるためには、オープンマインドと謙虚さを伴った対話は不可欠ですが。

新しい情報と、現代に伝わる古きよきものの両方を学ぶのに、読書は最適なツールだと思います。僕の愛読書はレイ・ダリオの『PRINCIPLES』。全世界で100万部を突破した本で、心に響く言葉がたくさんあります。例えば、結果を出すためにはどうすればいいか迷ったとき、彼の「Be Radically Open-Minded(徹底的に心を開け)」という言葉がふとよみがえってきたり……。世の中のビジネスパーソンの方々にも、ぜひオススメしたいです。
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構成=堀 香織 写真=yOU(河崎夕子)

この記事は 「Forbes JAPAN 2月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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