※本記事は2019年4月に掲載したインタビュー記事に加筆・修正を加えております。
「産業ドリブン」で事業を構想する
──新規事業の立ち上げについてお聞かせください。事業のアイディアはどのようにして考えておられますか?
事業アイディアを見つけようと努力したことはありません。自分がエキスパートである産業について深く考え続けていると、やりたいことはいくらでも出てくるものです。
特にIT業界で見られがちなのが「テクノロジードリブン」なビジネスの考え方。AIやブロックチェーンといった最新テクノロジーをどのように使うか、という切り口だけでは大きな事業構想は生まれてきません。
むしろ「産業ドリブン」で、産業の課題を見ていけば必ず事業アイディアは生まれてきます。当然ながらITテクノロジーを活用すれば改善できる課題はたくさんあるでしょう。
なので自分が立脚する産業の課題について深く考えることが、事業アイディアを生むポイントだと思います。
──新規事業のGo/No goの判断はどのようになされていますか?
まず弊社の場合は「タクシー」に事業領域を絞っています。
例えば弊社が販売しているドライブレコーダーをバス会社から買いたいと言われてもすべてお断りしています。事業領域を絞ることでリソースを分散させずに事業推進できると考えているからです。
残りの判断軸は事業を実行する「人」に対する信頼です。
正直、新規事業が成功するかどうかはやってみないとわかりません。だからこそ、事業を任せるリーダーが信頼できるかどうかが一番の判断軸になります。
信頼するかどうかは、先ほども言ったように、日々の「結果」がすべてです。過去に「結果」を積み重ねてきた「人」に賭けるのが最も確率の高い判断方法だと考えています。