ビル・ゲイツからトルコのシリア難民まで、世界で何百万人の人々が利用する急成長の外国語学習アプリ、デュオリンゴのCEO、ルイス・フォン・アンは南米グアテマラからの移民だが、今年米フォーブスが発表した「次のユニコーン」起業家のリストには、多くの外国出身者が含まれている。
上図のグラフにあるように、米国のユニコーン・スタートアップ(評価額10億ドル以上)のうち、約50%が移民によって(共同)創業されており、米国のスタートアップ界は移民によって形づくられていると言っても過言ではない。さらに言えば、全米上位500企業(フォーチュン500)の40%が移民もしくは移民の子どもによって創業されている。人口全体に対する非米国生まれは13.5%であることを考えると、起業家の外国人比率はかなり高い。
米国のベンチャーキャピタルの歴史に詳しいハーバード・ビジネス・スクール教授、トム・ニコラスはその著作『VC : An American History』の中で、いかにシリコンバレーが歴史的に外国の才能━━テクノロジーの最前線で、しかも柔軟でヒエラルキーが少ない組織で働きたいという人々を惹きつけてきたかを詳しく述べている。
「開かれた文化は、創造性とイノベーションの強力な原動力となった。ベイエリアでは(その開放性が)移民たちの手によるテクノロジー進化の土壌をつくった。逆説的に、軍事テクノロジーに重点を置いたことで、移民のイノベーターたちは民間セクターの発展に重要な役割を果たすことになる。なぜなら、彼らに防衛関連への雇用機会は限られていたからだ。(インテル共同創業者の)ロバート・ノイスは議会証言で、1985年時点で博士号取得雇用者の80%、修士号取得雇用者の50%が外国生まれであったことを述べている。(中略)彼は言った。『世界初のマイクロプロセッサーはイタリア人エンジニア、フェデリコ・ファジンによって生みだされ、地域の主要企業の1つとなるザイログを創業した。インテルの最も重要な製品の1つであるEPROMはイ スラエル人社員によって開発された。日本人のエンジニアが8080マイクロプロセッサーをデザインし……(さらに続く)。』」(『VC:An American History』より)