【独占】イートン校のオンライン教育を日本で CEOが「優位性」を語る

Eton X CEOのキャサリン・ウィテカー


──日本国内でも、 教育への関心が高まる中で、教育コンテンツの競合も激しくなっています。子供の時間の奪い合いのような状況にもなるなか、Eton Xの優位性はどこにあるのでしょうか?

日本に「リーダーシップ教育」がない現状、Eton Xは、学校教育を補完する役割を担えるのではないかと考えています。最近では文部科学省が、高校生の指導要領に「総合的な探究の時間」を追加することを発表しました。これは、主体性を持ち、自分の好きなテーマを文字通り「探究」する科目。Eton Xの定義する「リーダーシップ」と通底するものがあります。

──Eton Xはオンライン教育ということもあり、Peer to Peer(ネットワーク上で機能に違いのない端末同士が対等な関係で直に接続し、互いの持つデータや機能を利用しあう方式、以下P2P)での教育方式だと思います。これまでの教育と比べ、そのメリットはどこにあると考えていますか。

一対多で一方的に情報をもらうのではなく、個人間の経験のなかで知識をシェアすることは、深い学びに繋がります。Eton Xでもペアワークを重要視しており、8人のグループワークで、バーチャルスモールルーム(2人だけの部屋)を作って体験を共有する時間を取っています。

例えば、イングリッシュコミュニケーションの授業では、英語がうまく喋れない他の国籍同士の生徒が、お互いにアウトプットし合いながら成長していきます。シンプルですが、一緒に試行錯誤して成長していくことは、得難い経験となっていくはず。これはインターネット上だけでなく、外の世界で生きていく上で大事になっていく肝要なスキル。現実の世界で生きるためにも、P2Pのカリキュラムは大事だと考えています。

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──「リーダーシップ」という定性的な概念を、Eton Xではどのように効果測定していくかもお聞きしたいです。

まず、アウトプットが大事です。客観的な測定ができないからこそ、レポートやプレゼンテーションを通じて、多角的な視点から成長を見守っていきたいと考えています。そこで大切になってくるのはカリキュラムのサポートを行う「チューター」の役割。授業の進捗や個々人のスキルを鑑み、どれくらいの進歩をしたのかを見ていく必要があります。

また、Eton Xで大切にしているのが、状況を読み取り、都度適切な判断を下す「Situational Decision Task」という能力。数値というよりも、状況ごとに行動がかわっていくので、文脈の中で評価していくようにしていきたいですね。もちろん、数値のデータを増やしていきたいですが、数値化のことを気にしすぎても、ソフトスキルは身につかない。言語化できないスキルを照射し、次世代の人材の育成に注力していきたいですね。

文=半蔵門太郎 写真=柴崎まどか

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