ビジネス

2019.12.12

創業から20年、DeNAが社内変革に取り組むワケ──「これからは楽しさが成長の鍵になる」

(左)アカツキCEOの塩田元規氏 (右)DeNA創業者の南場智子氏


南場氏:DeNAが創業20周年を迎える、ということもあります。そもそも「ロジカルモンスター」と言われるのは、私自身がロジカルな人間だった影響もあり、外部からそう見られがちです。ですが、実態は違う。

DeNAにはロジカルだけじゃない、さまざまな個性を持ったメンバーが集まっています。「ロジカルな会社=ロジカルじゃない人は発言しにくい」といった空気をなくし、各メンバーの強みを発揮してもらいたい。今回の変革は、DeNAで働くメンバーへの「自分らしく楽しんでほしい」という私からのメッセージでもあります。



塩田氏:DeNAで働くメンバーに対する、南場さんの願いでもあるんですね。

南場氏:あともう1つ、私自身の気持ちの問題もありました。それほどハッピーではない時期もあったので。

塩田氏:それは、しんどい感じですか?

南場氏:そうですね。もちろん、会社のせいではありません。あくまでも「今の状態は、私の生き方としてどうなんだろう?」という、自分自身に対する疑問から始まり、思考の整理をする時間をつくったりしました。その中で会社のあり方やイメージ等についても、意思を持って変えたい部分があると思ったんです。

塩田氏:これからのDeNAをどんな会社にしていきたいですか?

南場氏:DeNAで働くメンバーの一人ひとりに仕事を今まで以上に楽しんでもらいたい。それは、ユーザーさんの喜びにも繋がります。ゲームも野球もそうですが、本当にユーザーさんが楽しんでいる姿をみると、こちらもすごく幸せな気持ちになります。そういった共通の感覚をメンバー同士で持てるかどうかが、今後のDeNAの成長の鍵になる。それに、ユーザーさんと作り手がともに楽しめる会社は、誇らしいですよね。そのために、マネジメントの構造を変えたり、事業戦略の見直しをしたりしているところです。

塩田氏:お互いに楽しめる、喜びあえる土壌づくりは、まさにアカツキでも挑んでいるところです。DeNAもアカツキも、いかに今の状態から脱却できるかが今後のテーマですね。

第一弾

構成=福岡夏樹 写真=小田駿一

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