塩田氏:ただ、僕がDeNAで働いていた頃は「南場さんと接することが多い人から見た南場さん」と「あまり接することがない人から見た南場さん」では、イメージが少し違っていた気がします。社内の噂では、南場さんがツラいときに駆け込む部屋があったとか…?
南場氏:ありました! ただ、部屋というよりは、苦手なことが続いて「勘弁して〜」となったとき、駄々をこねられる場所があったという感じです。
私は、DeNAを創業したばかりの頃こそ「完璧にしなければ」と思い、そう見えるように振る舞っていました。それが、どんどん身内には“ぺろっ”と舌を見せるような「てへぺろ」の状態になっていって。今でも、私の半径20メートル以内の人は、てへぺろ姿をよく見ているのではないでしょうか。少なくとも、私と一対一で話す人は、みんな知っているはずです。
塩田氏:僕はこうやって南場さんと話す機会が増えたことで、チャーミングな部分を知りました。しかし、そうでなければ「DeNAの社長=完璧な人」というイメージを持っている人のほうが多いと思います。講演しているときの南場さんもすごくかっこいいし、てへぺろとしていると想像するほうが難しいです(笑)。
南場氏:ちゃんと見えるように、がんばっているんですよ。ただ、てへぺろするとは言え、会社の意思決定の場で、迷いは見せないようにしています。経営者による迷いは、現場のメンバーを惑わせるだけなので。決めるときは決め、あとは成功確率を上げるために何をすればいいのかを考えることにフォーカスします。
私としても、そういった場面での迷いはあまり生じないタイプなんですよね。それ以外は、塩田くんよりてへぺろですし、周りのメンバーに甘えて生きています(笑)。
塩田氏:南場さんの周りには、いつもすごく優秀な人たちが集まっていますよね。南場さんは、助けたくなる人なのかもしれないですね。
南場氏:みんな、私を助けようとは思っていないんじゃないかな。どちらかと言うと、自分の好きなことができると思っている人が周りに多い気がしています。
塩田氏:それも、すごいことですよ。
ロジカルばかりじゃない個性豊かなメンバーへの想い
南場氏:塩田くんは、本の中でDeNAのことをロジカルモンスターみたいな書き方をしていたじゃないですか? でもこれは塩田くんに限らず、社外から見たDeNAはロジカルモンスターっぽく思われているところがあります。今、そのイメージごと変革しようとしているんです。それが「De20(ディートゥエンティ)プロジェクト」です。
塩田氏:なぜ、いま変えたいと思ったんですか?