ルーシッドはアリゾナ州知事のダグ・デューシーを招き、着工セレモニーを開催した。「EV車両のLucid Airの製造を、カサ・グランデで始められることに感激している。理解のある投資家や優秀なチームに支えられ、次世代の車両を送り出していきたい」とルーシッド・モーターズのCEOとCTOを兼任するPeter Rawlinsonは述べた。
シリコンバレー本拠のルーシッドは今年7月、元テスラ幹部のPeter Hochholdingerを、製造部門のバイスプレジデントに迎え入れた。Hochholdingerはテスラで2016年5月から製造部門のバイスプレジデントを務めており、イーロン・マスクがModel 3の増産に向け「製造地獄」体制を敷いた現場を知る人物だ。
同社が開発中の「Lucid Air」は400馬力の豪華EVで、車体のサイズはアウディのA6と同等で航続距離は400マイル(約644キロ)、停止状態から時速60マイル(約97キロ)までの加速が2.5秒以下という性能を持つ。Lucid Airのベースモデルの価格は6万ドルからと報じられた。
昨年9月にルーシッドは、サウジアラビアのソブリン・ウェルス・ファンドから10億ドル(約1090億円)を調達した。3億ドルを投じたカサ・グランデの工場建設の第1フェーズは、2020年後半に完了する予定で、それと同時にLucid Airの製造が始まるという。
初期の製造台数は年間最大で1万台を見込んでいる。2020年代の中盤までに、ルーシッドは7億ドルを工場に投資する予定で、年間6万台の製造を実現しようとしている。