メイン会場には限定アイテムを販売するブースやアートギャラリーが200ほど並び、両手に大量のショッピング袋を抱えた来場者で溢れかえった。今年、来場者は8万人超を記録したという。
なぜそれほど多くの人が「コンプレックスコン」に熱狂するのか。コンプレックスコンの主催者でショー・ディレクターである、ニール・ライト氏に話を聞いた。(以下ニール氏談)
コンプレックスコンを一言で説明すれば、アメリカのメディア「コンプレックス」と世界最大級のイベント運営企業「リード・ エグジビション」のジョイント・ベンチャーから生まれたイベントです。
ここにはファションやアートのブースも、トークセッションもライブ会場もあるので、実際にこのイベントに来たことのない人に、概要を説明するのが難しい。
だから、僕が母親に説明する時には、コンプレックスコン は「現実世界のインターネット」だと伝えています。いつも手の平のiPhoneからのぞいている世界を、一つの場所で実現させたのがこのイベントです。
様々なブランドを扱うECサイトは山ほどありますが、ファッション、アート、音楽など、異なるジャンルのものがリアルの場に一堂に集うイベント、他に知りません。
アートなしには成立しない
コンプレックスコンは今回で開催5回目と歴史が短いからこそ、毎年変化を感じています。今年は、これまでで最多のアートギャラリーが出展したことが、一番の変化でしょうか。
昨年のアンケート結果ですが、来場者にコンプレックスコンに何を求めてきたかと聞くと、1位のファッション、2位のパネルディスカッションに次いで回答が多かったのがアートでした。
来場者全体における、ギャラリーやコレクターなどのアート関係者や、アートに興味を持った人が占める割合も徐々に増え、若い来場者にとってはアート作品を初めて買う場を提供できていると思います。