その結果、鉛は57種類のベビーフードのうち52種類で、少なくとも1つのサンプルから検出された。鉛が検出されることが特に多かったのは。フルーツジュース(検出可能な水準の鉛を含んでいたサンプルの割合はぶどうが89%、ミックスフルーツが67%、りんごが55%、洋梨が45%)、と根菜(サツマイモが86%、ニンジンが45%)だった。また、子ども用クッキーにも多くに鉛が含まれており、くず粉のクッキーのサンプルには64%、歯固めビスケットには47%に鉛が含まれていた。
米消費者情報誌コンシューマー・リポート(CR)も昨年、米国内で販売されている乳幼児向けのパッケージ食品50点を検査し、健康への害が特に大きいカドミウム、無機ヒ素、鉛、水銀の4つの重金属の存在を調べた。その結果、全ての商品はカドミウム、無機ヒ素、鉛の少なくともいずれか一つを計測可能な水準で含んでおり、68%では少なくとも一つの重金属が懸念される水準に達していた。
成長中の子どもの体内では、こうした重金属が通常の脳や体の発達に影響を与えるかもしれない。米疾病対策センター(CDC)は「子どもの体内における安全な鉛の血中濃度は特定されていない。低水準であっても血中に鉛があるだけで、子どもの知能指数(IQ)や注意力、学業成績に影響を与えることが示されてきた。鉛にさらされる影響は修正できないものだ」と述べている。
なぜ、ベビーフードにさえこうした重金属が含まれているのだろうか? 一部の金属類は環境由来のものである可能性があり、環境汚染対応が必要なことを示している。また、ベビフードの加工として、食品を切ったり砕いたり包装したりする機械からもこうした物質が食品に流入しているかもしれない。これは、加工食品を避けるべき理由の一つでしかない。
結論として、ヘビーメタルと乳幼児は交わるべきではない。音楽のヘビメタでは、頭を激しく振る動作がこの年代には良い影響を与えないし、化学的な視点では、重金属にさらされると脳や体に問題が生じる可能性がある。食品に含まれるこうした重金属の安全水準は明確にさえなっていない。重金属が、環境など他の場所から時間をかけて蓄積され得ることを考えるとなおさらだ。
こうした重金属にさらされることが、自閉症やADHD(注意欠陥多動性障害)などの症状の増加とどのように関連しているのだろうか? 私たちに提供される食品に対して、どれほどきちんと汚染物質が監視されているのだろうか?
食品の安全性においては、果たされていない義務が多い。食べものに対する脅威は、どのようなものであっても深刻だ。