米ベビーフードの95%に有害な重金属が 上院議員も対策を要請

Christine Schneider / by Getty Images

音楽のヘビメタと、ベビーフードにヘビーメタル(重金属)が入っていることは全く別の話だ。

米上院議員のチャック・シューマー(ニューヨーク州)は先月、ベビーフードに重金属が含まれていることに懸念の声を上げた。

乳児が有害物質にさらされる機会を減らすことに取り組む非営利団体や科学者、寄付者の連合であるヘルシー・ベイビーズ・ブライト・フューチャーズ(HBBF)が先月発表した報告書をを受け、シューマーは次のようにツイートした。

「米食品医薬品局(FDA)は、さまざまなベビーフードに有害な金属が入っていることを示した新たな報告書を調査しなければならない。幼い米国の子どもが(重金属に)さらされることに対処し、懸念を軽減するような新たな規制が必要だ」

報告書によると、試験対象となったベビーフードの95%が「有害な重金属」を含んでいた。これはとても良いことには思えない。

試験では、61のブランドから出ている13の異なる種類のベビーフード168商品を対象とし、4つの重金属の存在を確認した。その結果、検査されたベビーフードの73%にヒ素、75%にカドミウム、32%に水銀、そしてなんと94%に鉛が入っていた。さらに、検査対象となったベビーフードの26%はこの4種類の金属全てを、40%は3つを含んでいた。

ここで試験対象となったのは銃弾や電池ではない。これは小さな子どもたちの口に入るものだ。検査されたベビーフードは、米国の14の大都市圏にあるスーパーや1ドルショップ、子ども用品店、大型スーパーなど17の異なる小売店舗から集められた。13の種類のベビーフードとは具体的に、パフやその他のスナック菓子、歯固めビスケット、幼児用ライスシリアル、幼児用シリアル(米以外の複数の穀物でできたもの)、果物、野菜、ミックスフルーツと野菜、肉の瓶詰め、乳児用調製粉乳、リンゴジュース、100%のフルーツジュース、その他の飲み物、食事(野菜、穀物、パスタ、肉の組み合わせ)だ。

他の調査でも重金属が検出

ベビーフードの中からこうした重金属が見つかった分析はこれが初めてではない。環境保護団体の環境防衛基金(EDF)の2017年の報告書によると、FDAが検査したベビーフードの20%が検知可能な水準の鉛を含んでいた。これは、FDAの2003年から13年までにわたるトータルダイエットスタディー(TDS)のデータ分析に基づくもので、ベビーフードは2164点、その他の食品は1万64点が対象となっている。
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翻訳・編集=出田静

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