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2019.10.08 19:30

2週間で数万人が応募。南極科学者がエアビーと組んで実現したいこと


──このプログラムを通じて、どのような問題を解決したいと思っていますか?

重要な目的が2つあります。まずは雪のサンプルを採取・分析し、マイクロプラスチックが南極内部の氷雪にどこまで到達しているかどうかを調査するということ。そして、もうひとつは、世界中から5人に集まってもらい、この体験を通じて人と人とをつなげることです。

ここ2、3年の間で、これまでに予測していたよりもマイクロプラスチックが問題になっていて、いろんな場所に蓄積されていることがわかりました。今回のプログラムでは南極におけるその影響を研究します。具体的には、マイクロプラスチックが南極まで到達しているのか。仮にしていたら、どれくらいまで到達しているのか。どういうルートで到達しているのか。そのあたりを調査します。

南極のエコシステムは、仮に変化の度合いが小さかったとしても、環境が脆弱なので動物たちなど生態系に大きな影響を及ぼす。小さな変化も重要視しながら、調査に臨めればと思っています。とはいえ、南極は天候の問題もあり、想定通りにいかないことも多くあるでしょう。バックアッププランも10個くらい考えて臨みます。



──ボランティアにはどのような人が望ましいと思っていますか?

南極という厳しい環境に行ってもらうわけですから、身体的に強い人、精神的に強い人が求められると思います。調査ではありますが、決して専門的な知識を持っている必要はなく、学位のある人しか選ばれないわけではありません。

この体験を終えた後、参加したボランティアの人はアンバサダーとして南極の環境をいろんな人に伝えていく必要があります。ですから、一般的な常識を持っており、きちんとコミュニケーションがとれる人、そして環境問題に対して強い関心を持っている人が望ましいです。

すでに数万人からの申し込みがあり、有難い限りです。私もメンバーのひとりですが、選考委員がありますので、ボランティアとして参加する5人が良いチームとして成立するよう、バランスも見ながら適切な人を選びたいと思っています。

もし、日本の人で私たちと同じようなモチベーションを持っており、今回のプログラムの経験を世界中の人に発信したい、と思っている人はぜひ申し込んでみてください。

文=新國翔大 写真=エアビーアンドビー提供

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