ビジネス

2019.09.28 20:00

仕事は遊ぶ子供たちの隣で。デンマーク・レゴグループのオフィス拝見


「レゴハウスは、『ひとりの子どもを育てるのに村がひとつ必要だ』という提案から始まりました。ここはミュージアムであり、最高に楽しい遊び場です」

レゴハウスのアイデアは、レゴグループ社長であるケル・キアク・クリスチャンセン氏によるものだ。最初はニューヨーク、ロンドン、シンガポール、コペンハーゲンなど人口の多い地域での建設が検討されたが、レゴの本拠地であるデンマークのビルンに落ち着いた。木で最初のレゴを作ったオーレ・キアク・クリスチャンセンが、大工をしていた町だ。


レッドゾーンには滝を表現した。 /写真:レゴグループ、イワンオフィススナップショット提供

レゴハウスのデザインは、来年完成するグーグル社の新オフィスビルをデザインしたデンマークの建築会社BiacEngels Group(ビアクエンゲルス・グループ、BIG)によるものだ。BIGは実験的かつ大胆な試みで知られている。イギリスのヘザーウォーク・スタジオと共同設計したグーグル社の新オフィスは、透明な緑の屋根で覆われた巨大な植物園を想起させるデザインだ。

BIGは、レゴ社の一番重要な哲学を空間に取り入れたいと考えた。レゴのブロックを幾重にも積み上げ、組み立てて、連続的な動きを持つ3次元の町を実現した。まさに破格の外見だ。

変身と組み立てがいくらでも可能なレゴの、その伝統的な特徴を生かして作られ、レゴの特徴である2×4モデルの21の大きなブロックを積み重ねるように設計されている。重ねたプラスチック製のレゴブロックが「雲」を形作っている。

レゴカラーの屋上テラスには、レゴ人形を置いた休憩スペースを作った。25000平方メートルの建物に、合計2500万のレゴブロックが使われている。ここで約230人が働いている。


レゴハウス体験ゾーンから続いている執務スペース。/写真:レゴグループ、イワンオフィススナップショット提供

スタッフプロフィールもミニレゴで

レゴハウスは、建物全体がアイデアにあふれる遊び場だ。 内部のダイナミックな構造により、オープンまたはクローズに組み立てられたおもちゃの不思議な空間を体験することができる。 レゴハウスは、黄(感情)、緑(社会的パワー)、青(認知能力)、赤(創造性)の4つのテーマに分かれている。

レゴの映画を自作できる「ストーリーラボ」、レゴのロボットをコーディングで動かせる「ロボラボ」、建物や花や魚をレゴで自由に表現できる「体験ゾーン」がある。 また、歴史博物館のコーナーでは、200の主要な製品、ブロックの製造技術、レゴ社の発展の歴史、受け継がれてきたレゴの伝統などが見学できる。世界中から年間25万人の観光客が訪れると予想している。
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翻訳=鹿田昌美 編集=石井節子

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