──資生堂がテクノロジー、イノベーション、スタートアップ買収を成長に利用する際に取っているアプローチは何でしょう?
ケンブリッジにテクノロジー推進拠点があります。ここでは、社内研究が行われるとともに、テクノロジー開発のパートナーも参加しています。私たちには、テクノロジーを評価する非常にダイナミックな方法があり、私たちが美容業界の核と考え、完全にマスターしたいテクノロジーと、手にできれば好ましいものの、この業界特有のものではないテクノロジーを選別しています。
投資対象とするスタートアップは、かなり選り好みしています。私たちが最も関心を寄せているのはUSPとビジョンで、これらは少なくともテクノロジーと同じぐらい重要です。テクノロジーが消費者に実際の変化として何をもたらせるかが大切なのです。私たちはあらゆる基準を見ています。ITや、ITが質的・量的な面での顧客データベース作成にどれほど役立つか、などです。
──スキンケアや美容業界は将来どうなるでしょう?
消費者がもっと知識を持つようになるでしょう。それは良いことです。アジア地域、日本と中国の両方で大きな成長があると思います。世界中で高齢化が進んでおり、それぞれに異なるニーズが生まれるはず。また、ミレニアル世代がようやく金を使うようになり、その親世代とは全く違う要望を持つようになるでしょう。
──最後に、起業家へのアドバイスはありますか?
強い視点を持つこと。周囲にはそれを好む人も、好まない人もいるでしょうが、それで構いません。