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NFT共同創設者兼CEO カプリンスキー真紀

米シリコンバレーとイスラエルに拠点を置き、「空飛ぶクルマ」の設計とソフトウェアの開発を手がけるNFT共同創設者兼CEOのカプリンスキー真紀。2011年に創業したスタートアップ企業、IQP社を2017年に米GE Digital社に約45億円で売却したことでも一躍、話題になった。

国境や言語、分野の壁を軽やかに越えながら、夫でありイスラエル人実業家のガイ・カプリンスキーと共に連続起業家として3つのスタートアップを手がけてきた彼女。

自らの力で道を切り拓く女性たち「SELF MADE WOMEN100」を紹介する連載企画。7月25日発売のForbes JAPAN9月号でも特集するこの企画で、今回はカプリンスキー真紀に話を聞いた。


──スタートアップを手がけるのは、NFTが3社目です。起業までの経緯を教えてください。

日本の高校を卒業後、心理学を学ぶために英国の大学に進学しました。そこでイスラエル人の友人ができたことや、興味深い研究を手がける教授がいたことがきっかけで、イスラエルの国立大学で心理学の修士号を取得。しかし研究を続ける中で、「私がしたいのは、これじゃない」と。本当にやりたいのはビジネスだと気付き、卒業後は日商岩井(現・双日)のイスラエル事務所に勤めました。

当時の日商岩井はイスラエルの窓口でしたから、日々、数多くのスタートアップの経営者が訪れます。出会いに満ちた毎日の中で、「私も起業できるかもしれない」と、さまざまなアイデアが浮かびました。「大企業が一番のエリートコース」といった考え方が、イスラエルにはまったくないのも新鮮で。現在の夫であり共同創設者のガイにも、この会社で知り合いました。

2002年に、ガイと2人でオフセット義務の解消を手がけるコンサルタント会社WBOを創業しました。実績もない私たちに仕事を依頼する企業はなかなか見つからず、1年以上は無収入でした。しばらくは週末にレストランで働きながら生活費を稼いでいましたが、3年目以降はビジネスが順調に推移。

次のステップとして、2011年に日本で立ち上げたのがIQP社です。日本とイスラエルを拠点に開発を続け、プログラミングの知識がなくてもアプリケーションを作れるプラットフォームを提供。2016年10月には米シリコンバレーに進出し、2017年に米GEデジタルに4000万ドル(当時の日本円で約45億円)で売却しました。

売却益などを資本に、2018年3月に米国で創業したのがNFTです。NFTはネクスト・フューチャー・トランスポーテーションの略で、空飛ぶクルマを開発しています。本社はシリコンバレー、開発拠点はイスラエルです。アメリカ人とイスラエル人、日本人がともに開発に取り組む多国籍チームで、従業員数は20人ほど。イスラエルで最新の無人航空機やドローンを開発してきた人など、バリバリのエンジニアが集まっています。

──様々な分野で起業を経験されていますが、なぜ今回は「空飛ぶクルマ」なのですか。

私たちは日々、交通渋滞などによって移動に貴重な時間を取られています。そんなとき、ふと空を見上げると、使われていないスペースが広がっている。そこに大きな可能性があると感じました。

構成=瀬戸久美子 イラストレーション=Luke Waller

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