『is』の発行を手がける舘野茂樹氏。
「『is』を単なる趣味で作っている媒体にしてしまいたくないという想いがあるんです。そこで、最新号(第3号)では、伊東にある大徳寺聚光院伊東別院の襖絵を制作された、画家の千住博さんにインタビューを行いました。また、創刊号から著名な絵本作家で伊豆在住の田島征三さんの作品を表紙に起用させていただいています」
最新号では筆者も記事を1本執筆させていただいた。熱海市の網代という漁師町に残る網元の旧家「平正邸」を紹介する記事だった。舘野氏は、その「平正邸」と自身が経営する「壺中天の本と珈琲」で、高須英輔という彫刻家の作品展を企画した。
「『is』を通して、アートと街、店、人が、どんどんつながっていけばいいなと思っています」と舘野氏。
『is』は販売場所を伊豆地域のブックカフェや書店に限定しており、東京など他エリアでの販売は行っていない。発行するための資金は、掲載店舗などからの協賛金でまかなっているという。継続的に発行していくには、趣味的にやるのではなく、しっかりマネタイズしていくことが必要だと舘野氏は強調する。次号では、伊豆の漁港をテーマに特集を組む予定だという。機会があれば是非また書かせていただきたいものだ。
『Hygge』と『is』。それぞれテーマや切り口は異なるものの、どちらも地域への愛にあふれている。書店で見かけたら、あるいは伊豆でたまたま出会うことがあったら、手にとってみていただきたい。観光情報誌では得られない新しい伊豆の魅力にきっと出会えるはずだ。
連載:熱海の内側に帯びる熱「移住ライターのルポタージュ」
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