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2019.06.10

米21歳女性が偉業、史上最年少で世界全196カ国を制覇

エジプトにて。@lexielimitless

米国人女性のレクシー・アルフォード(21)は先月31日、北朝鮮に入国し、最年少で世界の国々を全て訪れた人物となった。

アルフォードは幼少期からの積み重ねにより、世界に196ある独立国の全てに旅する偉業を達成した。ただ、最初から記録を目指していたわけではない。アルフォード家は米カリフォルニア州で旅行会社を経営していた。

インスタグラムで自らを「@LexieLimitless」(限界のないレクシー)と呼ぶアルフォードは「物心がつく前から、旅は私の生活の一部でした」と語る。「両親は毎年、一度に数週間から数カ月の間、私に学校を休ませて、自主学習をさせました」


子ども時代に両親と訪れたアラブ首長国連邦。@lexielimitless

彼女は子どものとき、家族と一緒にカンボジアの水上村からドバイのブルジュ・ハリファ、アルゼンチンの南端にあるウシュアイア、ギザの大ピラミッドまで、さまざまなところに旅をした。「両親は、私に世界中の人のさまざまな生き方を見せることがとても大切だと考えていました。これは今の私にとても大きな影響を与えました」とアルフォード。「私は常に、他の人々の生き方や幸せの見つけ方に好奇心を持っていました」

アルフォードは当初、記録を破ることは考えておらず、ただ果敢に旅を続けていただけだった。「正直、最初はただ自分にとっての人生の限界を広げ、その中で世界のできる限り多くを見てみたいと思っていただけでした」

「状況が本当に苦しくなってから初めて、私は自分が周囲の人々、特に若い女性にインスピレーションを与えていたことに気づきました。こうしたサポートを感じることで、厳しい状況でも諦められなかった。世界はメディアが描くほど怖いものではないこと、どこにでも優しさはあることを皆に示そうと心に決めました」


パラオにて。@lexielimitless

アルフォードは2016年、史上最年少で世界196カ国を旅するギネス世界記録を破るという目標に本格的に取り組み始めた。現在の記録は、2013年にジェームズ・アスキスが24歳で打ち立てたものだ。

きっかけはアルフォードが18歳になったとき、自分が既に72カ国を旅していたと気づいたことだ。「世界記録を破ろうと初めて思ったのは、2016年10月、カリフォルニアの自宅にいた時のことでした」とアルフォード。「高校を2年早く卒業し、地元の大学で準学士号を取得していました。ギャップイヤー(卒業後に進学や就職をせず自由な時間を取ること)を始めようとしていた時、進学はしないことに決め、フルタイムで記録達成に取り組み始めました」

旅行の資金は自分で調達した。途中、ブランドとの提携などで追加の資金は得たが、公式なスポンサーをつけたことは一度もない。「いつか時間を取って旅をしたいとずっと考えていたため、見つけた仕事は全てやり、12歳の頃から貯蓄してきました」


イエメンにて。@lexielimitless

最初の1年半は貯蓄が旅行資金となった。そこからは、カリフォルニア州の自宅にいるときには家族の旅行代理店で旅行コンサルタントとして働き、旅行中は写真やブログ更新を行った。

「一番割の良いプランを見つけるため事前に入念なリサーチをしているし、フライトにはポイントやマイルを使い、ホステルなどの安宿に泊まっています。また、ホテルのためにコンテンツを作成することで宿泊をさせてもらってもいます」とアルフォード。「実家に住むことで毎月の諸経費をできる限り抑えたし、車や学費のローンもありません。いらないものを買うこともしません」
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編集=遠藤宗生

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