お米ライターが探る世界と日本のコメ事情

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日本では米が主食だが、世界に目を向けると、実に多くの地域に、さまざまな米や米の料理が存在している。

世界中の米のなかから2つの国の米を選んで、それでおむすびを握ったら、どんな味になるのか? そして、当該の国の人たちが、そのおむすびを食べたら、どんな思いを抱くのか? そんな実験的食文化イベントとして生まれたのが「United Rice Ball」だ。

その方法は例えば、日本の米と他の国の米で握った「2国米ミックスおむすび」を両国の人が一緒に食べるというもの。米を「Unite(結ぶ)」だけでなく、人と人をも結ぶという、これまでにないコンセプトのプロジェクトだ。

日本とスペインの米で握る

発起人は、クリエイティブディレクターの倉成英俊氏。倉成氏が「異なる国の米を混ぜて、おむすびにすることで、新たな意味を生み出す」という企画を思いついたのは、8年前の2011年。

その後、おむすびレシピの著書があるフードユニット「つむぎや」の金子健一氏とマツーラユタカ氏に声が掛かった。さらに昨年、お米ライターである私にも話が来た。そして、つむぎやがおむすびのレシピ開発と調理、私が米の選択と調達を担当することになった。


ロゴ制作は古谷萌氏、WEB制作は上江洲佑布子氏が担当

「United Rice Ball」の第1弾は、日本米とスペイン米のミックス。スペイン米は「日本人も学びたい! スペイン人たちのお米の使い分け」でも紹介した「redondo(レドンド)」を選んだ。スペインならではの米の味わい方であるアルデンテが出しやすいと考えたからだ。

そして、そのアルデンテを引き立たせ、パラパラとしたスペイン米を混ぜたごはんでもおむすびが握れるよう、日本米はもっちりとして粘りがある「ひとめぼれ」を選んだ。

日本米は短粒のジャポニカ種で、スペイン米は中粒の熱帯ジャポニカ種。日本米は「生鮮食品」のため、収穫後に水分値を15%ほどまで乾燥させた後は、一定の温度と湿度で劣化と乾燥を防ぎ、玄米で保管するのが一般的だ。精米後はすぐに劣化するため、冷蔵庫で保管して2〜3週間以内に食べ切るのがおいしく味わうコツだ。ご存知の通り、水だけで炊飯するのが主流となっている。

一方、スペイン米は「保存食品」。徹底的に乾燥させているため、賞味期限が精米後1年6カ月のものもあるくらいだ。古米のほうが重宝されて価格が高く、オリーブオイルで炒めてからスープを吸わせるなど、特性が日本とは異なる。

文=柏木智帆

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