2人が設立したシンガポール本拠の「Zilingo」 は、各国のファッション好きの消費者をオンライン小売事業者とつなぐマーケットプレイスだ。同社は今年2月のシリーズ Dラウンドで、2億2600万ドル(約250億円)を調達した。
出資に参加したのはセコイアキャピタルや、テマセク、シンガポールのBurda Principal Investmentsらだ。関係筋によると、Zilingoの企業価値は9億7000万ドルとされたという。
Zilingoの契約マーチャント(小売業者)は3万社、月間ビジターは500万人という。現在の従業員数は420人で、オーストラリア、香港、インド、インドネシア、フィリピン、シンガポール、タイ、米国の8カ国に拠点を構えている。CEOのBoseは今後、ラテンアメリカ市場への進出も視野に入れている。
Zilingoのアイデアは2015年に、当時セコイアキャピタルに務めていたBoseと、ソフトウェアエンジニアの Kapoorがバンガロールのパーティーで出会った時に生まれた。2人はその後、バンコクに移住し現地の小売業者のアパレル製品を、自分たちの手で箱に詰めて発送するところから事業を始めた。
その後、拠点をシンガポールに移したZilingoは、マーチャントに自社のプラットフォーム以外の売り場でも販売を行えるツールを提供している。同社は業者にアナリティクスを行うソフトや販売管理ツール、自動化されたロジスティクスや決済システムを提供し、グローバルに販売を行う手段を与えている。
Zilingoはマーチャントに金融ローンも提供し、バングラデシュやカンボジアなどの諸国に製造をアウトソースする機会を提供する。Zilingoへの出品は無料で行えるが、売上の15%を同社は徴収する。さらに、売上トレンドの予測ツールなどからも追加の費用を得ている。
同社の2017年の売上は130万ドルだったが、損失は630万ドルだった。しかし、BoseはZilingoが今後18カ月以内に黒字化を果たすと見ている。