アフリカは歴史的に、世界各国の人々の野心を満たしてきた。外国人たちは宣教師として、投資家として、またはインフラ建設を担う者として、アフリカで働いてきた。
彼らはアフリカ大陸を「グローバル化の地図」に含め、人々を貧困から救い出すための支援を約束した。だが、結局はアフリカの富をつかみ取り、地域の各国を次々に植民地化し、貧困をさらに悪化させた。
こうした歴史がまた、中国によって繰り返されることになるかもしれない。同国が進めているインフラ投資計画は一見、アフリカの各国が健全なインフラを整備することに役立っているように見える。だが、詳しく調べてみれば、グローバル化の次の段階に関する規則を自ら定めたい中国の野心に、それらが利用されていることが分かる。
中国は輸出を促進するための「海の道」(一帯一路構想の一環)を確実に実現させるために、アフリカを利用したい。この考えを明確に示しているのが、同国政府がジブチに建設した人民解放軍の基地だ。
「南アフリカ人として、大陸における中国の活動を間近で見てきた」という米バンヤンヒル・パブリッシングのシニア・リサーチアナリスト、テッド・バウマンは、「中国の対外投資の主な目的が経済ではなく地政学的なものであることは明らかだ」と語る。
中国が民間資本ではなく国有企業の投資によって手掛けるのは、高速道路や港、ダム、送電網といったインフラ設備の建設事業だ。これらは経済を発展させるため、アフリカの多くの国が喉から手が出るほど欲しがっているものだ。