ビジネス

2019.04.24

会社の論理より社員の幸せ 木村石鹸の「しなやか経営」

木村石鹸工業の木村祥一郎社長


工場のもうひとつの役割は、いろいろな人が集まってやりたいことができる拠点にすることです。「IGA STUDIO PROJECT」と名付けたのも、工場の機能やスペースをめいっぱい使って、面白いことをたくさん仕掛ける予定だからです。単なるモノづくりの場所ではなく、新たな体験が生まれる場所にもしたいのです。

通路をギャラリー化できるように設計をしたり、施設内の一区画にはスタジオを設けたりしたので、アーティストの作品の展示や、ライブ、演劇、地元のイベントなど、いろいろな形でのコラボレーションが考えられます。「キャスト」である従業員にも、お客さまをもてなし喜んでもらう工夫を凝らしてもらいます。



──社員や家族の幸せを考える経営姿勢は、お客様を大切にする企業理念にも繋がる。すべてに一貫性がある話ですね。木村社長が日々心がけていることは何でしょうか。

仕事とプライベート、いずれかを選択する必要はなく、両方バランス良く充実させることはできると思うのです。人生において、仕事する時間はかなり長い、だからこそ仕事をしている時間は楽しいほうが良いし、そのためには仕事だけではなく、プライベートも思いっきり楽しめばいいと思うんです。

人生の目的は「幸せになること」だと思っていますから、僕も会社の論理より、これからも社員一人ひとりの幸せにフォーカスしていきたいです。


木村祥一郎◎1972年、大阪府八尾市生まれ。京都市在住。同志社大学在学中の95年、映画サークル仲間とIT企業を起業。副社長として東京と京都を往来し、インターネット検索エンジン開発やウェブサイト制作などを手がけた。2013年家業に入り、16年代表取締役社長に就任。石鹸を現代的にデザインしたハウスケアブランドを展開。

木村石鹸工業◎1924年創業。68年から銭湯を中心に浴場用洗剤を販売。94年風呂釜洗浄剤シリーズで家庭用市場に本格的に参入。バレル研磨用コンパウンドの製造は45年以上の実績がある。

監修=谷本有香 インタビュー=三宅紘一郎 校正=山花新菜 撮影=大田 元

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