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スタートアップの「ブランディング論」

リフトの元デザインディレクター 楠井孝史

スタートアップが競合他社との差別化を図り、社会的認知度を向上させていくために「ブランディング」は欠かせない。しかし、多くのスタートアップは目先の成長を優先してしまい、ブランディングを後回しにしてしまいがちだ。

スタートアップがブランディングに取り組む意義とは。そして、どんなことを考えてブランディングに取り組むべきなのか? リフト(Lyft)の元デザインディレクター、楠井孝史さんに話を聞いた。


ブランディングとは、会社のパーソナリティ(個性)を創ることです。仮にブランドを人に例えた時、その会社がどんな価値観をもっていて、どんな性格をしているのか、どんな時に悲しみや喜びを感じるのか、その会社独自の個性や魅力を定義し、育てていくことが私にとってのブランディングです。

私はアウトドアが大好きなんですが、アパレルブランドのパタゴニアがわかりやすい例です。彼らはトランプ大統領の環境保護地域縮小を糾弾する過激なキャンペーンをうったり、16年には「ブラックフライデー」の売上げの全てを環境保護活動に寄付したりして話題を呼び、結果的に翌年の売上を30%近く伸ばしています。

これら一連の例からも、パタゴニアという会社が、「環境危機に警鐘を鳴らし、解決に向けて実行する」という価値観を会社のビジョンとしてを明確にしているからこそ、表現に一貫性が生まれ、消費者や従業員から共感を得られる訳ですよね。

以前僕がデザインディレクターを務めていたライドシェアサービスのリフトも良い例です。

リフトは、競合であるウーバーとイメージの観点で比較し、キーワードを整理をするとこのようになります。

ウーバー
Luxurious : ラグジュアリー
Clean : クリーン
Sophisticated : 洗練されている
Conservative : 保守的

リフト
Playful : 遊び心のある
Fun : 楽しい
Friendly : フレンドリー
Liberal : 民主的

リフトはウーバーとは対局のコンセプトを作り、これらのポジショニンングをもとにCreative Briefを作成し、グロースやプロダクトデザイン、ビデオ制作、ブログやマーケティングキャンペーンと言った社内外のチームが様々な戦略を施行していきました。

ウーバーは高級感のある黒を前にだしたサービスであるのに対し、リフトも以前ピンク色で可愛い口ヒゲをトレードマークにしていたのも一つの表れです。

文=玉井和佐

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