「ユーザーのニーズは、作り手の想定を超えていた」
元々ボタニストは、植物由来の体に優しい成分をウリにしてきた。また、メデュラやアメリカの製品など、パーソナルシャンプーには先行者も存在する。明確な強みをもつボタニストが、なぜいまパーソナライズシャンプーの販売を始めたのか。
I-ne代表取締役の大西洋平
「他社との差別化を意識したことはありません。私たちはあくまで、お客様のために製品をつくっています」と、代表取締役の大西洋平ははっきり答えた。
I-neの調査によれば、日本人女性の約7割が髪のダメージを回復したいと考えている。分析結果をもとに、ボタニストではユーザーの目的別に4つのシャンプー・トリートメントを販売していた。
「しかし、念入りにユーザー調査をしてみると、ボリュームアップ目的の『スカルプ』のシャンプーと、ボリュームダウン目的である『モイスト』のトリートメントをセットでリピートするなど、毎月2000人以上が目的の違うシャンプーとトリートメントを組み合わせていることがわかりました。つまり、 お客様のニーズは私たちが想定していたよりも、複雑で多様化しているんです」
ボタニストの特徴である植物由来の成分を大切にした上で、より一人一人のユーザーにピッタリのシャンプーを提供したい。そこでリリースしたのが、「マイボタニスト」だ。
今後パーソナライズの精度をより高めていくというI-neだが、すでにボタニストを販売している中国など11カ国での海外展開も強化予定。さらに、ヘアケアでの知見を生かし、スキンケア領域への参入も予定しているという。それでも、大西の姿勢はブレない。
「拡大を目指すのはもちろんですが、基本は同じ。引き続き、ユーザーの方を向いた製品作りを続けたいですね」