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2019.03.12 08:30

「古臭くても必要」雇われ社長40社経験のミドル起業家

写真=平岩享

縣将貴が代表取締役社長CEOを務めるADlive(アドリヴ)は、WEBマーケティング支援と広告ソリューション提供を手掛ける。2011年10月に設立し、17年5月から現事業を本格始動させた。中小企業や地域企業のデジタル活用を支援し、国内だけでなく、アジア進出も視野に入れる。

西條晋一は18年1月、30代、40代のミドル層の起業家を投資対象としたXTech Venturesを創設。同年12月、アドリヴへの投資を実行し、支援をしている。


西條:縣さんとの出会いは、7年前くらい。前々職のサイバーエージェント・ベンチャーズ時代に、当時、飲食など人気施設の予約・順番受付サイト「EPARK」の代表をしていた縣さんに事業の相談をしたのがきっかけです。

それ以降も1年に数回はお会いしていました。例えば、私が創業したもう一つの会社であるXTechで行っている、既存産業×テクノロジーで新規事業を創出するコンセプトの「Startup Studio」でも、食材のマーケットプレイス事業を準備しているのですが、その相談をするなど、投資家と起業家という関係ではなく、経営者同士として話をする機会が多かったですね。

:私は思いついた事業は全部やりたいと思う性格。経歴書には載せていませんが、会社員時代には40社近い子会社社長を兼務してきました。その中で、WEBマーケティング、中小企業、地域という3つを掛け合わせる現事業の1本に絞り込んで、自らの資本を入れて代表を務めています。

この領域は、スケール感がないと絶対に勝てないビジネスモデル。日本ではまだ注力しているプレイヤーが少ない今、きちんと外部資本を入れて、ビシッと背筋を伸ばして事業展開していきたいと思っていた。そのタイミングで、西條さんがファンドを設立されたことを知り、真っ先に話をしにいきました。

西條:僕らのファンドの特徴は、ミドル起業家への応援。日本にインターネット業界が生まれて約20年が経過し、30代、40代のミドル層に多くのプロ人材が生まれています。優秀な彼・彼女らの起業を促し、支援したいという思いがあります。縣さんはまさにそのスコープにピッタリな経験豊富なミドル起業家で、「是非」と即決しました。
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文=山本智之

この記事は 「Forbes JAPAN ニッポンが誇る小さな大企業」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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