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クリエイティブなライフスタイルの「種」

2月に2日間にわたって開催された、世界最大級のスタートアップイベント「Slush Tokyo 2019」。36カ国から600以上のスタートアップと200人の投資家、7000人を超えるオーディエンスを動員し、大盛況のうちに幕を閉じたことも記憶に新しいところです。

そのSlushの発祥は、北欧のフィンランド。今まで北欧といえば福祉や教育のグローバルリーダーとして知られてきましたが、昨今ではスタートアップやビジネスイノベーションでも注目を集めています。今回は世界レベルのビジネスイノベーションを生み出すフィンランドのエコシステムが、いかにして醸成され、進化を遂げているのかを現地からレポートします。

イノベーションの鍵を握るエスポー市

企業、研究機関、投資家などを含め、様々な領域の人たちが技術やノウハウ、知見を集結させてイノベーションを起こす事業生態系を「エコシステム」と呼びますが、フィンランドの優れたエコシステムを解き明かすにあたり、エスポー市を語らずにはいられません。

同市は首都ヘルシンキから地下鉄で15分の所に位置し、教育機関や国立の研究所がコンパクトに集まることから、“スマートシティ”と称され、マイクロソフト、ノキアなどの世界的企業や、スタートアップの本社も軒を連ねています。人口28万人(2018年末時点)で、2018年の「世界で最も知的なコミュニティ都市」に選出され、「ヨーロッパで最も持続可能な都市」を過去2年連続受賞しています。

また、ヘルシンキ証券取引所の取引総額の45%以上はエスポーの企業で、25歳以上のエスポー住民の51%が大学卒業者、10以上のスタートアップコミュニティが存在するなど、人口や面積こそ小さいものの、同市にはイノベーションを生み出すポテンシャルが十分にあることが伺えます。


エスポーマーケティング社の清水さんとは、アールト大学内の会議室でお会いしました。

そんなエスポー市が推進するのが、イノベーション・エコシステム「Espoo Innovation Garden(エスポー・イノベーション・ガーデン)」です。

「Espoo Innovation Gardenは、1万8000人の学生と40の研究開発組織、100以上の国籍の異なる人々が参加する国内最大級のエコシステムです。人材や企業のマッチングが行われ、オープンイノベーションの機会となっています。エコシステムの基盤となっているのはアールト大学。2010年にヘルシンキ経済大学、ヘルシンキ工科大学、ヘルシンキ芸術デザイン大学の合併により誕生し、スタートアップ発展の鍵を握る学生や大学主体の団体が中心となり、さまざまな起業プログラムが運営されています」

そう話してくれたのは、同市が運営するエスポーマーケティング社のビジネスアドバイザー清水さん。Slushや欧州最大のハッカソンJunction(ジャンクション)も、ここから生まれたといいます。

文=酒井新悟 取材協力=エスポー市・エスポーマーケティング社・アールト大学

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