「出世コース」はどこにある? フラット化する組織でいま大切なこと

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誰かの後を追って山の頂上を目指せばよかった“出世コース”に代わる、発展型のキャリアとはどういうものなのか。

それは例えば、決められたコースのない、手を差し伸べてくれるガイドもいない中で、その環境を楽しみ、ふとキレイな花を見つけては立ち止まって「ここに一面の花畑を作ってみよう」と発想すること、あるいは、あえて寄り道をして今まで誰も見つけられなかった洞窟を発見すること。

つまり自らが考え、過去には誰も気づかなかった新たな価値を見出す行動ではないだろうか。

「誰について行くべきか」の選択を一度誤ると軌道修正が難しかった山登り型のキャリアに比べて、いつでもやり直しが効きやすく、リスクははるかに少ないはずだ。かつては辺境と言われた場所でも、そこにしかない価値さえ見出せば、豊穣の土地に変えることだってできるだろう。若いうちに社内起業のチャンスを得る、というモデルがまさにそれだ。

企業のグローバル化にともない人材の多様化が進み、AIの急速な進化、複業自由化、日本で言えば働き方改革で、個人の企業における評価の価値軸はこれから変化し多様化していくだろう。

今日までずっと「いいね」とされてきたアイデアが、明日には却下されることも頻発すると予想できる。そんな環境で重要になるのは、「目の前の出会いが自分にとって重要だ」と自ら価値付けしていく力だ。

偶然のチャンスを前向きにとらえ、常に柔軟に行動する力が、道なき道をたくましく歩み進むエンジンになるのではないかと考えている。次回はその力を備えるためのいくつかの視点について伝えたい。

連載:自分自身の育て方
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文=中竹竜二 構成=宮本恵理子 画像=shutterstock.com

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