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ブラジルに学ぶ「幸福」をつくる教育 

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高校1年生の化学の授業の終了間際、先生が「宿題を配りますよー!」と言って教室内を歩き回っている。よく見ると、先生のタブレットから生徒のスマホに宿題を配信している。

ここは最先端の設備が整った先進的な高校ではない。ブラジル・サンパウロ市郊外の辺鄙な場所にある公立高校で、校内のインターネット環境は整備されていない。先生は、タブレットのBluetooth機能を使って各生徒のスマホに宿題を送付しているのだ。スマホを持っていない生徒もいる。それでも友達のスマホを見ながら宿題をやるので支障はないという。

先生は、「生徒のスマホを使って宿題の配布・回収をするようになってから、授業時間が効率化され、かつ生徒のモチベーションも大幅に上がりました。教育の質を上げるために使えるテクノロジーはどんどん使わなきゃですよね!」と語る。

新しいことを始められない理由を探してしまう日本

日本の教育はどのくらいテクノロジーを活用しているのだろうか?

「全教室のインターネット環境が整っていないとITツールを導入できない」「生徒はスマホを学校に持ってきてはいけない」「勉強は紙と鉛筆でするものだ」

新しいことを始められない理由をたくさん見つけて尻込みしてきたのが日本だ。その間に世界の国々は出来ることからどんどん進めている。インターネットがなくてもBluetoothを使う。生徒一人一台のタブレットがなくても、生徒が持っているスマホを使う。日本の教育がテクノロジーを取り入れる頃には、世界の国々に追いつきようのないほどの差が出ているかもしれない。

ブラジルでは、ここ数年でオンラインでの模擬試験も普及し始めた。学校で模擬試験の時間になると、生徒はパソコンルームに行き、一斉にパソコンで模擬試験を受ける。試験終了と同時に詳細結果が出て、各生徒の入試での予測得点や弱点に応じたおすすめの教材が提案される。先生も模試の分析結果を見て、各生徒のつまずいている箇所を把握し、翌日の授業に活用する。

日本では、模試を受けて、解いた問題も忘れた頃に、ようやく紙での結果が送られてくるのが一般的だというのに。

ただ、そんなブラジルの教育が進んでいるのかというと、データを見る限りは決してそんなことはない。

文=稲田大輔

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