高校時代の性格で寿命が分かる? 人格は早い時期から健康に影響か

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成人については、人格特性と健康問題に関連性があることがすでに知られている。例えば、怒りっぽい人は心疾患を発症するリスクが高い。

また、必ずしも性格ではなく心理状態との関連ではあるが、職場でいじめに遭うことと、10年後までに心血管系に問題を抱えるようになるリスクの間にも関連性があることが、最近の研究で明らかになっている。

米ロチェスター大学メディカルセンター、米国研究学会、イリノイ大学の研究者らが行い、先ごろJournal of Epidemiology and Community Healthに発表した研究結果によると、10代のころにみられた人格特性から、数十年後の死亡リスクを予測できる可能性があるという。

研究チームは、米国で1960年から国内の高校の5%を対象に実施された追跡調査、「Project Talent」が収集したデータを分析。37万5000人を超える10代の若者たちの性格などについて評価するため、数日間をかけて回答してもらったアンケートやテストの結果を調べた。2009年の最後の調査では、コホートのうち約2万7000人から情報を得ており、追跡期間は平均48年となっている。

調査の結果、10代のころに「共感性」「平静さ」「几帳面や組織を優先する傾向」「知的好奇心」「活力」「成熟度」「衝動性の低さ」のスコアが高かった人は死因にかかわらず、48年後の死亡リスクが相対的に低くなっていた。10代のころの社会経済的地位や人種の違いの影響を調整した場合でも、結果に変化は見られなかった。

研究チームは、健康と性格特性の関連性には数多くの要因が影響を及ぼしているとみている。特定の性格特性と関連している可能性が高い生活習慣や、免疫系・内分泌系・臓血管系に対する加齢の影響なども、そうした要因に含まれる。

また、性格特性によって、ストレスの感じやすさに違いがあると考えられることも指摘している。ストレスは疾患リスクを高める可能性があることが知られている。
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編集=木内涼子

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