正しい睡眠で脳機能改善 実践すべき5つの方法

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あなたは昨晩、良く眠れた? 目覚めはすっきり? それとも疲れが抜けていない?

全米睡眠財団(NSF)の報告書によれば、一般的な成人に最適な睡眠時間は1日7〜9時間で、これを確保できなければ脳の機能に支障が生じてしまうのだという。この基準は睡眠科学の第一線に立つ学者18人の意見に基づいたもので、報告書では十分な睡眠を取れない場合、脳機能の多くに影響を及ぼすことが指摘されている。

リーダーは、脳の実行機能(高いレベルの分析的思考)を日々最高の状態に保つ必要があり、睡眠は決しておろそかにできない。これは私がマサチューセッツ工科大学(MIT)で学生たちに繰り返し説いているルールであり、私は学生から頻繁にため息をつかれている。

もちろん、皆さんの気持ちもわかる。人は睡眠を軽視してしまいがちで、睡眠不足は少し横になるだけで補えると思い込んでいる人も多い。これは私自身も経験済みであり、特に出張が続くと時差ボケによって睡眠を優先したり就寝サイクルを守ったりすることが難しくなる。

しかし、睡眠を削ることは逆効果を生む。睡眠不足が習慣化すると、アルツハイマー病や認知症の発症率が高まる。これは、脳が睡眠中に「グリンパティック系」という管から神経作用の副産物や、タンパク質、代謝産物といった老廃物を一晩かけて排出することが理由だ。睡眠が不足し、老廃物排出が阻害されると、こうした老廃物が蓄積して認知機能が低下する。

自分の睡眠の状態について調べるときは、単に眠りについてから起床するまでの時間を計るだけでは睡眠の質は測れないと理解することが重要だ。一晩中眠れない、寝つけない、一度目が覚めると眠りに戻りにくい、といった症状はいずれも、睡眠障害を示している。日々の睡眠について1週間ほど日誌をつければ、自分の睡眠状況を良く把握できる。夜中に起きてしまったり、寝付けなかったりしたかどうかや、朝目覚めた時にどんな気分かを記録すること。

以下に、睡眠を改善する方法を紹介する。
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編集=遠藤宗生

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