家庭での親子の会話も対等だ。
「今、我が家は共働きで、お父さんもお母さんも頑張って働いて家庭収入が月1万レアルある。お前のことは愛しているので、できるだけ欲しいものを買ってあげたいが、あまり高価なおもちゃを買えるほど、我が家に経済的余裕はない。こんな状況だけどどんなおもちゃが欲しいかな?」といった対等の議論が親子間で行われている。
日本だとタブーとされがちなお金や性の話題も全てオープンだ。
「親の年収を知っていますか?」「自分の恋愛を親に相談しますか?」
ブラジル人20人と日本人20人にインタビューしてみた。
なんとブラジル人20人全員がどちらも「Yes」との回答、一方日本人でどちらも「Yes」と答えたのはわずか3人だった。ちなみにその3人はどんな相手とも上手に会話する人達だ。
ブラジルは、昼食も夕食も家族で会話をしながら食べるのが一般的だ。中高生はそこで毎日会話の練習を積むことで、自然と自己表現の訓練が行われているように感じる。日本の中高生は思春期頃から親子間の会話が激減するのと対照的だ。
ブラジル人の自己表現力は、学校内でも家庭内でも、毎日の会話の練習を通して磨かれていく。そんな教育環境で育ったブラジル人は会話が得意な大人に成長し、人生を楽しむ力を身につけていくようだ。
連載:ブラジルに学ぶ「幸福」をつくる教育
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