地中海食がうつのリスクを軽減? 新たな調査結果で明らかに

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脂肪分の多い魚に含まれ、健康に良いオメガ3は、脳の細胞の構造と透過性を助ける効果がある。うつ病の影響を受けることで知られる海馬の中では特にそうだ。

さらには、食事法によって腸内の微生物が変化することも影響しているかもしれない。野菜中心の食事を取ると、特定の微生物が増えることが知られている。同様に、より不健康な西洋式の食事を取っていれば、その他の微生物が増えることも分かっている。地中海式の食事を採用すれば、脳や気分に良い影響を与える微生物群が育つ可能性がとても高くなる。

また、これは相関関係以上のつながりかもしれないことを示す証拠もある。医学誌BMCメディシン(BMC Medicine)に昨年掲載された研究では、食事法のうつ病への影響を調べるため、任意に抽出した臨床試験を行った。実験では、うつ病を患う人たちの半分に地中海式の食事を始めてもらい、残りの半分には社会的支援を与えた。3カ月経過後、どちらのグループもうつ病と不安の症状が改善したが、食事法を変えたグループの方がより大きな改善を見せた。

同研究の著者らは同研究により「臨床栄養士を分野横断的な精神保健チームに加え、うつ病の症状を経験している人が一時診療やその他の診療の場面で、栄養士の支援を受けられるようにする新たな可能性」が示されたと述べている。

運動や社会的支援と同様、食生活はおそらく、精神保健の専門家が処方できる効果的な治療法だ。もちろん、うつ病の症状を抱える人にとって、運動やきちんとした食事を取ることは難しい。しかし、誰しも食事を取る必要があるので、特定の食べ物を他のものに切り替えることはより楽に実践できることかもしれない。今後さらに多くの研究が実施されるにつれ、食事が正当な治療として、あるいは少なくとも包括的な治療の正当な一要素として認識されることを期待している。

翻訳・編集=出田静

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