ハヤカワ五味流、マーケットの捉え方
──そういったユーザーの感覚を捉える秘訣は何でしょうか?
まず、私自身が「普通の生活」をしているというのが大きいと思っています。同世代の経営者で「スーパーで豚コマ100グラムがいくらか」と聞いてわかる人は少ないと思いますが、私は普通にスーパーで買い物もするのでわかります。(笑)
次に、「自分の世界が当たり前と思わないこと」が大事だと思います。これは私の趣味でもあるのですが、人が何を考えているのかを知るのが好きで、どんな人がいるのだろうというアンテナを常に立てるようにしています。
たとえば、同じ若者でもEXILEが好きな人もいれば、西野カナが好きな人もいるし、色々な人がいます。
様々な人たちのことを理解するためにも、よくバーに行き、隣の人に喋りかけたりしています。普通のサラリーマンの「家に帰るのがめんどくさい」といった話を聞いたりするんです。そうやって、出来るだけ自分とは異なる世界観の人たちにアクセスすることで、「自分以外の世界」を理解するようにしています。
──具体的に、最近気になっている変化はありますか?
たとえば、特に女子高生を中心に「女子同士で手を繋ぐ人が増えた」と感じています。この半年くらいで、びっくりするくらい急に増えています。私もいまだにこの現象の理由が分かっていません。普通にカップルなのか、はたまた韓国ブームの影響で「女子同士で手を繋ぐのは可愛い」と思っているのか。声をかけて理由を聞きたいぐらいですね。(笑)
「言葉の力」と「成長過程の可視化」でファンを増やす
──コーポレートサイトやブランドコンセプトを拝見していると、言葉の使い方が非常に印象的と感じました。情報発信する上で、何か意識されていることはありますか?
大前提として「言葉で人が動く」ことを信じています。それは、自分自身が言葉に動かされてきた体験があるからです。
元々広告業界への就職を目指していたので、参考になりそうなキャッチコピーをたくさん見てきました。その上で、ブログやツイッターなどで意識的に情報発信の場数を増やし、文章の精度を上げるよう工夫しています。
また、私が素敵だなと思う人は「言葉選びが綺麗な人」が多いのですが、「自分がこうありたい」「こういう人がかっこいい」といった情報発信をすることで、そういった素敵な人と繋がれるようになりました。おかげで普段の会話でも、綺麗な言葉遣いに接する機会が増えています。
人と話したり、文章を読んだり書いたりする中で、綺麗な言葉と出会う機会を増やすこと。そして、自分の情報発信する場数を増やし、常に一番綺麗な言葉遣いをすることを心がけています。
この結果として、自分と近い価値観の人と触れ合う機会が増えたので、その点でも良かったなと思っています。