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I write about the junction between being human and the workplace.

Pressmaster / Shutterstock.com

女性の存在の重要性や、それが財務的業績と関係することを男性に理解させるのには、今なお時間がかかりそうであることが、30カ国の500人以上を対象にした調査により明らかになった。調査対象の国にはカンボジアからカーボベルデまでさまざまな国が含まれるが、回答者の多くは米国と英国からが多くを占めている。

人材斡旋会社セルビー・ジェニングスによる調査報告書『ジェンダー多様性:商業上の緊急事項(Gender Diversity: The Commercial Imperative)』によると、ジェンダー多様性が財務的業績を改善すると考えている回答者は全体の69%だったが、男性の40%がェンダー多様性は財務的業績を改善しないと回答した。

英エクセター大学のルース・シーリー准教授(経営学)は、ジェンダー多様性が“平等の問題”として考えられていることをこの調査は示しているものの、こうした考え方に納得するのは一部の人々にすぎないと警鐘を鳴らす。

「生まれつきの特権を持つ人たちにとっては、なかなか理解できないことだ」とシーリーは述べた上で、女性の地位向上がままならない理由に関して、男女間で意見が分かれているという調査結果が出ていることを指摘した。

今年の『女性FTSE取締役報告書(Female FTSE Board Report)』によると、女性が執行役員レベルへ昇進できない理由について、男性と女性の取締役は全く異なる見解を示している。男性は、母親としての役割や野心などの個人的な理由を挙げた一方、女性は組織やシステムの問題を指摘。さらに女性回答者は男性と異なり、自分が成功した要因として優れた人材管理プロセスの役割があったと回答した。

「心理学的な観点から言えば、男性は自分たちの成功の要因が自分自身にあるとする傾向にあった。一方で女性は構造的な観点から見て、自分が今の役割に昇進できたのは組織の人材管理が素晴らしいからだと認識していた」(シーリー)

前出の『ジェンダー多様性』報告書ではまた、調査対象者に対し、ジェンダー多様性研修を受けたかどうかを聞いた。結果、現在所属する組織でジェンダー多様性の教育を受けたことがあると答えた人は、全体のわずか3分の1、女性では25%のみだった。研修を受けた人のうち、3分の2がその内容にジェンダー多様性を推進すべきビジネス上の理由が含まれなかったと答えている。また含まれていた場合でも、裏付けとして実証的証拠が示されなかったケースは42%に上った。

編集=遠藤宗生

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