GAPの業績改善を目指す同社は先ごろ、サーフブランド「ビラボン」のCEOだったニープ・フィスクをGAPの新たなCEOに迎えた。
また、ペックによればGAPは外部企業に委託し、消費者にとっての「ブランド価値を測るための評価」を実施。GAPの「感情的価値」はかなり高いことが分かったという。問題は主に、サイズの一貫性といった「機能的」な側面にあるとの結果だった。
ペックはこの結果について、「機能的価値は、感情的価値よりも対応しやすい」として、「私にとっては楽観的な材料だ」と述べた。だが、これに関してペックは、何かを見落としている可能性がある。GAPが現在抱える問題は、実のところこれら2つの価値のどちらにも、あまり関係がないのだ。
GAPと同様に業績が低迷する米国のもう一つの“象徴的な”ブランド、ランジェリーのヴィクトリアズ・シークレットと同じように、GAPは消費者に対し、店舗に足を運び、今クローゼットにあるものに加えて「何かを買おう」とする理由を提供しなくてはならない。
そのためにGAPは、「GAPの服を着て育った」という古くからの顧客の言葉に耳を傾ける必要がある。そうした顧客たちはいま、GAPが売っているものは値段が高すぎる上に「いつも同じ」「変わらない。退屈だ」と考えている。
古くからのGAPの顧客がいま足を向けているのは、ZARAやH&M、フォーエバー21などだ。ZARAが人気の理由は、「誰にでも似合うスタイルだ。(マーケティング目的の)メールさえ、店に行きたい気持ちにさせる」という。