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旅から読み解く「グローバルビジネスの矛盾と闘争」

Noppasin Wongchum / Shutterstock.com

今年5月、独立以来初の政権交代を経験し、今後の動向が注目されるマレーシア。名目GDPの規模は、2017年時点で、インドネシア、タイ、シンガポールに次いで東南アジア第4位の約3100億ドル(約34兆円)。GDP成長率は、シンガポールの2.2%に対して4.8%と倍以上となっており 、今年中にはGDPでシンガポールを抜いて東南アジア第3位となる見込みだ。

また、1人あたりのGDPは、シンガポール、ブルネイ・ダルサラームに続く第3位の約9800ドル(約109万円)で、後に続くタイ(6600ドル)、インドネシア(3800ドル)と比べてもかなりの水をあけている。

実際、7月にクアラルンプールを訪れてみると、街は活気にあふれていた。その実情を探るべく、マレーシアの小売現場に詳しいクレアールカンパニーの代表取締役、野副昌子に話を聞いた。



とにかく「若い」マレーシアの市場

「マレーシアの市場は日本人が考えているよりも若い。平均年齢(中央値)が28歳という市場です。こちらでは28歳の時点で、子供がいて家族がある。つまり親もまだ若く、親子で一緒に楽しむ市場というのが、マレーシアの特徴として言えることですね」

東京とクアラルンプールに拠点を持ち、2004年からマレーシアでの事業に関わってきた野副は、このようにマレーシアの市場を分析する。現在、彼女が経営するクレアールカンパニーは、マレーシアの商業施設に出店する日本ブランドの開拓をはじめ、マレーシアやASEAN地域における日本企業のリテール展開に関する相談を、総合的に引き受けている。

野副の日本企業に対するサポートの根底には、マレーシアの人たちやその市場に寄り添った考え方がある。それは、2004年から携わったオイルパームのバイオマス製造の立ち上げに、共同創業者として携わった経験からの学びが大きい。

「田舎での工場立ち上げ。そこにいる現地の人たちを雇い、彼らが動かなければ、工場は回らないという状況でした」と彼女は振り返る。そこは日本的なマインドセットやロジックが通用しない現場。その経験があったからこそ、マレーシアの人たちの消費行動に寄り添った事業アドバイスへと繋がっている。

現在、マレーシアで目立った展開を行っている日本のブランドは、ユニクロとダイソーだ。基本的には、平均年齢28歳という若いマレーシアの主要顧客層のノリを捉えた現地企業が成功している。こうした顧客層にアピールするには、アイコンやキャラクターなどを使った分かりやすい展開が重要となるという。

アイコンやキャラクターといっても、単純に日本の「カワイイ」を輸出すればよいということではない。それらを使ったゲーム性があるノリの良いプロモーションが、現地では成功しているようだ。

若いマレーシアの顧客を捉えるためには、「インスタ映え」などを意識したSNSの活用も必須だという。マレーシアはSNSのヘビーユーザー国で、全人口に対するフェイスブックのユーザー率は75%(日本は28%)の2400万人、インスタグラムのアカウント数はネット人口の73%(東南アジア最大)だそうだ。

文=MAKI NAKATA

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