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ラスベガス発 U.S.A.スプリット通信

Markus Mainka / Shutterstock.com

アメリカ連邦航空局(FAA)のルールで、すべての航空機は、「非常退避2分ルール」というものが適用される。満席でも2分で退避できるように搭乗員は訓練され、また機内のデザインや座席の配置も、それをクリアすることが求められる。

逆に言えば、そのルールをクリアする限り、航空会社は機内にひとつでも多くの座席を置いて価格競争に勝とうとしている。そのあまり、ますます機内が窮屈になって我慢の限界を超えてきたとして、米国消費者団体が、連邦航空局を提訴したり、議員に働きかけて新たな法制化を試みたりしたが、いずれも失敗に終わった。

裁判所の判断は、安全面の確保は、通路の幅の確保であり、前の座席にあなたの膝がぶつかろうとも、それは問題にはならないということだ。なので、座席をどう並べるかは、今後も一切、航空会社の裁量に任されることが明確になった。競争は一層激化するはずだ。

エコノミークラスが3種類

確かに、「エコノミークラスのスペースは狭くなった」と誰もが言う。が、より正確に言おうとすると、エコノミークラスの種類が増えたということだ。

たとえば、現在、ロサンゼルスから成田に飛んでいる日本航空のJAL7015便は、ボーイング787-9型機を使っているが、30席のビジネスクラスのほかに、エコノミークラスが3種類ある。メインキャビンが198席、メインキャビンエクストラが36席、プレミアムエコノミーが21席となる。前の椅子とのスペース(シートピッチ)も、それぞれ、77.5センチ、87.5センチ、95センチと違ってくる(実は椅子の幅も微妙に違う)。

この7015便はコードシェア便であるので、飛行機の所属はアメリカン航空だ。では、日本航空の機材でとなると、まったく同じ路線でJAL061便というのがあり、エコノミークラスは2種類となる。ところが、こちらの機材では、ビジネスクラスの上にファーストクラスが生まれる。同じJAL便でも、利用者は期待したシートピッチとは違う座席に座ることになりうる。

デルタ航空もエコノミークラスは3種類だ。つまり、航空会社の弁明としては、少しでも安い価格を提供し、なおかつ、お客さまにアップグレードの機会を差し上げている、ということになる。つまり、選択肢を与えて、顧客満足度につなげるという論法だ。

もし、顧客満足度を測る正確な統計があれば、おそらく航空会社の論理は正しい。しかし、顧客満足度を犠牲にしてでも、安さをとる乗客は意外に多い。すると、「大嫌いだけど大好きだ」という航空会社もでてくる。

文=長野慶太

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