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あらゆる旅先を博物館化する

富士吉田に約1カ月半滞在。毎日陽の光とともに起き、窓越しから富士山を眺めていた─

富士吉田で、富士山ガイド制作のために1カ月半ほど過ごした。もちろん、ぼくたちのオフィスでありホームであるON THE TRIPのバンで。

寝起きは最高。毎日陽の光とともに、窓越しから富士山を眺めて起きる。起きると同時に窓を開けて、心地よい風を浴びる瞬間がもっとも好きだった。夜は焚き火を囲ってバーベキューをし、一日の終わりに富士の温泉に入って寝る。

バンを置いていたのは富士吉田の道の駅。この道の駅には、24時間空いているトイレがあり、おいしい富士の湧き水も飲み放題、フジヤマビールが飲めるカフェだってあるし、野菜市場も近い。この場所はバンライフをするものにとって最高の環境だった(スズメバチが多いのと、アクセスが市内からすこし離れていることを除いて)。案の定、ここには日本各地のキャンピングカーやバンが集結していた。



バンライフがブームの理由は、コミュニティにある

今、バンライフ(#Vanlife)をインスタグラムで検索すると330万件以上出てくる。よく聞く話では、アメリカでのキャンピングカー需要が増えているという。それも若い世代に。若者の車離れが言われて久しいが、アメリカ国内を巡る旅は、飛行機やアムトラック(鉄道)よりもキャンピングカーなどを使った車でのロードトリップが急増。2017年度には、39%近くが国内巡りに車を利用していたそうだ(2016年度が22%)。

自分の好きな場所で止め、周りに左右されず自分たちのペースで旅ができたり、気の置けない仲間と自分たちの空間を楽しめたりする理由も大きい。そしてその多くが移動手段としての車だけではなく、コミュニティの場としてバンを通した出会いを大切にしていると感じる。

現地に滞在して仲間たちと出会い、あるいは友だちと一緒に旅をしながら自然や食を楽しみ分かち合う。絶景の見える丘で夕日を眺めながら寝転がったり、海岸に停めて日の出を眺めながらコーヒーを飲んだり。仲間とバンで移動することもあれば、現地で仲間を作ることもできる。

ゲストであると同時にホスト。奇妙な逆転関係

ON THE TRIPのバンもまた、コミュニティ機能を有している。ぼくたちはガイドを作るために、日本各地へバンを停める。現地でさまざまな人にインタビューをするのだが、そのうち地元の面白い人たちがバンへ遊びに来てくれるようになる。それは、まるでその地域に旗を立てるようなもので、人が人を連れてくる。

そしてバンへ遊びに来た人たちをもてなすときに、ぼくたちはその地域のゲストであると同時にホストになる。

文=成瀬勇輝

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