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あらゆる旅先を博物館化する

沖縄では、那覇、中城、首里、南城市の4箇所に滞在した

突然だが、ぼくたちはバンに暮らしている。マイクロバスを改装したものをオフィスにして、それも住居として暮らしている。移動型のオフィスであり住まい。日本各地を転々としながら、それぞれの文化財と連携したトラベルオーディオガイド「ON THE TRIP」を制作しているため、現地に密着して取材ができるこのスタイルを取っている。

はじめは奈良に5カ月滞在し、そのあと沖縄で3カ月、そしてこれから富士吉田に滞在する。かれこれこの生活を始めて8カ月ほどが経ったが、今回は最近感じているアウトソーシングライフについて紹介したいと思う。きっとこれからこのような暮らし方が増えると思うから。



必要ないものを持たず、アウトソースする

バンでどのような暮らしをしているのかたくさんの人に聞かれるが、生活はいたってシンプル。

毎朝7:00には陽の光とともに起こされ(バスの全面は窓なため朝は明るい)、8:00を過ぎればバンを後にする。たまに朝食をつくることもあれば、車内が気持ち良くてバンで仕事をすることもある。近くにお風呂があれば朝風呂することも。その後、外で打ち合わせや取材などをして22:00過ぎにバンに戻り、一仕事をして寝る。

特別に変わっていることはない。ただ、家の景色が変わるのはたのしい。時に車内は植物園のようになり、ある時は海の家になる。


沖縄・首里で滞在していた、植物園オフィス

自分たちは寝袋と少しの洋服、あとはソーラーパネルくらいしか持っていないのに、いやだからこそ、外の環境によって社内が激変する。植物を社内に置くのではなく、植物があるところへ車内を移す。モノが少ない移動型オフィスの特権とも言える。 


南城市で滞在していたビーチオフィス

さて、このような暮らしをしている中でアウトソーシングライフという考え方がしっくりくるようになってきた。アウトソーシングライフとは、文字通り暮らしの一部を外部に委ねること。今までは自分の暮らしをする上で自分で持っておく必要があると思っていたものたちを、どんどんアウトソースするようになった。

たとえば冷蔵庫。バン生活に冷蔵庫は重い。毎時間電気を使う上に場所もかさばる。一方で日本には5分歩けばどこかしらにコンビニがある。アイスも冷えたビールも、いつだって好きなものを選び放題。お水だって積むとそれなりにかさばるが、コンビニが倉庫の代わりになる。

他にはトイレ、洗濯、お風呂もアウトソースする。トイレはコンビニや公共トイレ、洗濯はコインランドリーにクリーニング。アイロンも綺麗にかけてくれるところだってある。

近くにジムがあればそこの短期会員になってお風呂にしたり、温泉/サウナ施設はその地域でお気に入りを3〜4つ見つけ、気分に応じてハシゴする。熱めのサウナで気分を整えたいときもあれば、冷たい水風呂で体を沈めたいときも岩盤浴でゆっくりしたいときだって日によって気分は変わる。

その時の気分で食べたいものが変わるように、お風呂だって変えたい。でも自分で持ってしまったらそれができない。その日の気分に応じて変えることができることこそ、アウトソーシングライフの特権だと思う。

ほとんどモノを持たないぼくたちの暮らしで一番大切なのは、「どこに行くか?」ということ。今月はこの街で暮らすと決めて、その街を探索する。今までの家選びは、1LDKのマンションか一軒家タイプかという選択が最重要項目だったが、この生活で一番大切なのは、「その街に何があるのか?」ということ。

お気に入りのコーヒーショップはあるか、気分良く仕事のできるカフェはあるか、気持ちのいい銭湯はあるか。その街が持っているポテンシャルこそが街選びの基準となっている。

文=成瀬勇輝

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