ライフスタイル

2018.07.31 19:00

200年ぶりの特別な夏、「#平成最後の夏」はどう楽しむ?

Ser Borakovskyy / Shutterstock.com

Ser Borakovskyy / Shutterstock.com

2018年7月、つまり平成30年7月。来年5月1日から新元号が施行されるため、いま「平成最後の夏」が訪れています。個人的な話ですが、私は平成元年4月生まれの29歳。まさに私にとってこの夏は、平成最後の夏であるとともに、自身の20代最後の夏です。

幸いにも、盛り上がっているのは私だけではないようで、ハッシュタグ「#平成最後の夏」で調べると、7月23日時点でインスタグラムでは4万3575件。ツイッターでは総数こそ出せないものの、1時間に400件近いツイートがなされています。ある意味で、日本列島に「特別な夏」が来ている感じです。

遡れば、昭和から平成に元号が変わったときも、大正から昭和に元号が変わったときも、天皇崩御という予測不能なタイミングだったため、「昭和最後の〇〇」「大正最後の〇〇」を意識することは不可能でした。過ぎ去った後に、「最後」を振り返ることしかできなかった。約200年ぶりの生前退位が、はからずも「特別な夏」を生んだのです。

「平成最後の夏」とセットでよく使われる言葉に「エモい」があります。平成世代が主に使う言葉で、感情や感動といった意味を表す英単語「emotion(エモーション)」を略し、接尾語の「い」をつけ形容詞化したものです。

先ほどの「emotion」の形容詞である「emotional」が意味する「感情に動かされやすい、感情的な、情にもろい、感激しやすい」に近く、「ぐっとくる」とか「胸がぎゅっと締め付けられる」というニュアンスで用いられます。

「最後の夏」を自分ごと化し、「エモい」感情を抱くようになったのが、私たち平成世代なのです。

魔法の枕詞「平成最後の」

「20世紀最後の夏」を迎えた2000年と比べてみても、やはり盛り上がり具合が異なるのはSNSの有無でしょうか。イベントごとを生みやすいネット環境は、楽しみやすくて良いなと感じます。

「昭和っぽい」レトロな雰囲気と同じように、早くも「平成っぽい」を探る意識も醸成されており、平成のコンテンツがあらためて注目されているのはもちろんのこと、ウェブ上の盛り上がりだけでなく、アナログのイベントも企画されています。

例えば、現役東大生の龍崎翔子さんプロデュースでも注目されている大阪・弁天町のホテル「HOTEL SHE, OSAKA」では、平成を彩った音楽をオールナイトで楽しむDJイベントが開催されます。

「#平成ラストサマー」というハッシュタグで、「これぞ平成」と各人が思う曲を募るというSNSを活用した形で、イベントに向けて盛り上がりを形成しているのも平成世代らしいところです。平成に生まれ、平成の終わりを見届けるという、「平成世代」という括りでの団結感も生まれているように感じます。

「平成最後の」という枕詞をつけるだけで、特別に思えてくる、まさに魔法の言葉です。「平成最後の夏」だからこそ、後悔しないよう特別な経験をしたいという人も多いと思いますが、「平成最後の夏」だからこそ、ささいな瞬間も、将来ふと思い出しやすいものになるかもしれません。「平成最後の夏は〇〇していたな」というように。

誰かの「平成最後の夏」に自分の存在を印象深く刻みたい。そんな思いも、皆で集う「平成最後の夏」のイベントの背景には働いているような気もします。

酷暑が続くので無茶は禁物ですが、今年の夏は「平成最後の夏」として、心に深く刻みたいところ。どうか皆さま、自分らしい良い夏を。

連載:経済を動かす「女子」の秘密
過去記事はこちら>>

文=山田茜

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事