キャリア・教育

2018.07.26 08:00

デメリットの少ない「学生起業」がいま盛り上がるこれだけの理由

Sergey Nivens / shutterstock.com


「毎日がジェットコースター」に感銘
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私は学生起業ではなかったが、それらに大きく影響を受けたのは確かだ。私が学生だった2010年頃は、学生起業のブームだった。PORT春日博文氏、中川綾太郎氏、マイナースタジオ石田健氏、クラウドワークス副社長の成田修造氏、メルカリ鶴田浩之氏など、いまをときめく起業家たちが学生起業をスタートさせていた。

私も、彼らの活動をSNS上で見ているうちに、いい学校に行って、いい会社に入るという、自分の人生に疑問を持ち始めた。そこで、ブログメディアを立ち上げ、起業家たちにインタビューをすることを思いついた。

最初にインタビューしたのが投資家の磯崎哲也氏。「起業家の人生は毎日がジェットコースターのようなものだ」という言葉を聞き、「毎日がエキサイティングで、ワクワクするような別世界が、こんなに身近にあるんだ」と感銘を受けた。その言葉をきっかけに、「学生起業」をテーマに、著名なIT起業家をインタビューしてまわるようになった。
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山田進太郎氏、家入一真氏、岩瀬大輔氏、柳澤大輔氏、西川潔氏、宇佐美進典氏、榊原健太郎氏など、著名な起業家の計15人に話を聞く機会に恵まれた。そして、この業界の面白さを知り、どっぷりハマってしまっていた。

どうしてこれだけの人間に会うことができたのか。PoliPoli伊藤和真もそうだったように、当時の自分も「学生の特権」を知らぬ間に利用しており、応援の意味で頂いたチャンスだったのだといまあらためて思う。

気づけば、インタビューをした1人である榊原氏が立ち上げていた独立系ベンチャーキャピタルのサムライインキュベートにインターンとして加わっていた。当時は珍しかったIT起業家に特化したコワーキングスペース設立の直前にお声がけいただいたのだ。

初期はイベンターとして、年間200回の起業家向けイベントを主催。11年頃、スタートアップ向けのイベントなどはほとんどなかった時代だ。その後、新卒1期生として社員となり、4年間どっぷりとスタートアップの世界に入り込んでいた。その経験を携えて、16年に福岡で私は独立した。

なぜ福岡で「学生起業」なのか

福岡市は14年5月にスタートアップの国際戦略特区となっていた。福岡市の熱も沸騰しており、スタートアップ都市と銘打って大きな挑戦に出た。民間サイドからそれを盛り上げたい、ということで私もF Venturesを創業した。

私の生まれ故郷である福岡は、大学などの教育機関が多く、若者人口も豊富、もともと創業率が高いなどの事情もあり、スタートアップ都市宣言以降、顕著な盛り上がりを見せている。ここ1年を振り返っても、数億から10数億円規模の資金調達も数件現れ、順調に独自のスタートアップエコシステムが構築されてきている。

F Venturesはイベントを通じてスタートアップの最前線にいる投資家や起業家を招き、学生たち向けにスタートアップのイロハを提供する。いままで、福岡では学生向けの起業イベントはなかったが、これを通じて、学生起業という選択肢もあることを知ってもらいたいと思う。

文=両角将太

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